ウォール街出身のプロ投資家・高橋ダン直伝。危機に強い[黄金のポートフォリオ]

金価格はまだまだ上昇の余地がある

 長期で保有することになるので、金融商品は保有コストが低いETFが適しているという。分散を重視するため本数は多くなるが、いずれも少額から買えるので、なるべく多く保有するよう高橋氏はアドバイスする。まとまった資産がない場合でも、毎月の収入からこれらのETFを少しずつ買い足していく積み立て投資でOKだ。  この長期投資のポートフォリオは持ちっぱなしでかまわないが、余裕があれば保有割合を調整する「ローテーション戦略」を取ることでよりリスクを抑え、パフォーマンスを上げることが可能になるという。 「たとえば、株式と金の保有割合を月に1回、微調整します。前月に成績の良かったほうを増やして、もう一方を減らす『ローテーション』を繰り返すことでポートフォリオ全体のリターンが向上し、下落局面の下落率も抑えられます」
マネ得

米国の代表的な株価指数であるS&P500指数に連動するSPYを筆頭に、日本や欧州など米国を除く先進国の株式に投資するVEA、新興国株に投資するVWOが基本だ。社債は利回りの高いHYGを。これらはいずれも大手ネット証券などの外国株口座で購入可能だ。通貨を分散させるとさらにリスクを抑えられるので、東証に上場しているTOPIX連動型ETFや香港上場の香港ETFの組み入れも検討したい

 ローテーションは毎月でなくても、トレンドや相場環境の変化が予想されるときだけ微調整する方法でもよいという。 「今回の米大統領選の前後は不確定要素が多く、ボラティリティも高まることが予想されるので、株の割合を減らして金と国債を増やして備えておくのもおすすめです」
マネ得

このカテゴリでは先進国の国債の中ではいくぶん利回りが高く、安全性にも優れた米国債に投資したい。国債は償還までの期間でリスクや利回りに差があるので、短期、中期、長期に分けて投資するのがおすすめ

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コモディティは金を中心とした貴金属や農産物、エネルギーに投資するETFを選ぼう。ここで紹介する銘柄のほか、金鉱株やプラチナ、パラジウム、原油、天然ガスなどに投資できる銘柄もある。もちろん、ビットコインを加えてもよい

インフレや金融危機にも強い金は頼りになる“保険”

 値上がりが続く金に関しては高値を警戒する読者もいるだろうが、長期的にはまだまだ有望だと高橋氏は言う。 「過去の歴史を振り返っても、金価格はドルの供給量と比例して上昇しています。現状、FRB(米連邦準備理事会)はコロナ禍の経済対策として大量のドル供給を実施しており、金価格はまだそれに追いついていない。上昇余地は十分残っています。インフレや金融危機にも強い金は頼りになる“保険”になります」  ちなみに、長期投資用の3つの資産の割合は、幅を持たせている。投資家自身が自分の年齢やリスク許容度に応じて判断し、ローテーションもこの範囲で微調整しよう。 「ローテーションはあくまで割合の調整だけ。どんな相場環境でも、長期投資自体をやめてはいけません。たとえ一時的に資産が減ってもあきらめず、できるだけ長く続けることで強力な複利効果が得られるのです」  そして、残りの短期投資用の資金では、相場環境に応じてリスクを取った投資にチャレンジしたい。こちらはうまくいけば、長期投資よりもはるかに大きなリターンが得られる。「大切なことは失敗を恐れないこと。投資で一度も失敗しないことは不可能」と、高橋氏は心理面でのアドバイスも送る。  米大統領選を通過しても、新型コロナや米中摩擦などリスク要因の多い相場は続きそう。高橋氏直伝のウォール街流投資術で、不確実な相場をサバイブしたい。 ※記事内の情報は10月22日時点のものに基づきます。 【高橋ダン氏】 投資銀行、ヘッジファンドを経て金融系ユーチューバーに。『世界のお金持ちが実践するお金の増やし方』(かんき出版)は発売2日で5万部。高橋ダン氏のYouTubeチャンネル「ウォール街プロからお金の稼ぎ方を学ぼう!」 <取材・文/森田悦子>
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