5年上昇し続けている[超安定銘柄]の探し方

買ったら下がった……株式投資にはそんなエピソードがつきものだが、実は4~5年タームで上昇し続ける銘柄が数多くある。そんな企業の共通点を探った。

オリエンタルランド、 カルビー、富士重工etc. 乱高下に負けない右肩上がり企業を狙え!

大神田貴文氏

大神田貴文氏

 原油相場の暴落、スイスフランの暴騰に伴う為替の激動で乱高下した株式市場。そんななか、猛然と株価を上げた企業がある。東京ディズニーランドを運営するオリエンタルランドだ。「派手な値動きはしないイメージですが、入園者数の増加に合わせて毎年のように上場来高値を更新し、株価もきれいな右肩上がりを描いている超優良銘柄」と指摘するのは、株式ジャーナリストの大神田貴文氏。’10年以降のこの5年間を見ると、安値6000円(’11年3月)から3万1365円(’15年1月)まで、実に5倍以上となっている。

「中長期で右肩上がりを続ける企業には、やはり好業績、しかも最高益更新という共通点があります。その好業績を生み出している原動力は各社さまざまですが、オリエンタルランドは『オンリーワンビジネス』といえます。昨年度は入園者数がディズニーランドとディズニーシーの合計で初めて3000万人を突破しました。バブル期の2倍です。今年度は消費増税の影響が心配された上期ですでに前年同期並みの実績を確保。秋以降も客足が増えているので、過去最高を更新する可能性が高いでしょう」(大神田氏・以下同)

 ライバルのUSJが1月末に入場料金の値上げを行い、「東京ディズニーランドも値上げに踏み切った。増収余地は大きい」という好材料も隠れている。オリエンタルランドは来年12月、上場20周年を迎える。内部留保が3900億円近いリッチ企業なので、市場関係者の間では「高額な記念配当を実施する」との皮算用も聞かれ、株価上昇を加速させている。

 さらに、「ディズニーキャラというオンリーワンコンテンツで伸びたオリエンタルランドと共通するのがドン・キホーテ(安値1973円→高値8720円)」と大神田氏は続ける。迷路のような店内に天井高く積む商品ディスプレーで知られ、化粧品や菓子、家電、アイドルグッズと、これほど雑多な品揃えはほかにない。

「’14年は訪日客の約半分に相当する500万人の外国人がドンキを訪れ、海外からの集客に最も成功した小売店として日本の流通業界史に名前が残りそう。株式の時価総額は6500億円と、百貨店業界の雄、三越伊勢丹HDを上回っています。機関投資家にとって、ドンキは小売りセクターの中心銘柄と位置づけられています」

積極的に海外展開したユニ・チャーム

 海外の購買パワーを自ら取り込みに行ったユニ・チャーム(安値896円→高値3138円)も株価の右肩上がり企業の一つ。

「生活水準向上が著しいアジアの需要を掘り起こし、海外売上高を急拡大させてきました。中国で衛生的で安全な日本製の紙おむつが高値で取引されている実態を踏まえ、現地工場の増強を決定しており、売り上げの伸びはまだまだ続きそう。インド市場攻略にも力を入れており、海外売上高比率は7割を超えるのも時間の問題と見られます。今期も純利益が過去最高を更新するとの期待が高い。また、カルビーも海外展開の成功組(安値500円→高値4420円)。少子高齢化でスナック菓子業界全体の長期衰退が予想された時代もありましたが、カルビーは米ペプシコと資本・業務両面で提携したほか、中国にも進出し、国内市場の縮小という構造的な制約から自由になりました。北米の生産能力増強を進めており、海外事業の拡大が業績や株価を押し上げるトレンドを固めつつあります」

⇒【後編】「最高益を更新し中長期で右肩上がりを続ける企業の共通点」に続く http://hbol.jp/23131

セブン銀行

セブン銀行

<セブン銀行/オンリーワン>
’14年12月に上場来高値を更新。融資で稼ぐほかの銀行と違い、セブン銀行は預金者や提携先銀行が支払うATM利用料で稼ぐ唯一のビジネスモデル。米国でATM運営会社を買収

キッコーマン

キッコーマン

<キッコーマン/海外積極展開>
米国の和食ブームの陰の仕掛け人と言われるのがキッコーマン。内需銘柄と誤解されるが海外売上高比率は5割を超え、国内と主従が逆転した。欧州事業拡大に向けて布石を打つ

日本ペイントHD

日本ペイントHD

<日本ペイントHD/M&A・提携>
自動車用が主力の塗料大手。過酷なコストダウン要請に応えていくうちに、世界5位の規模に成長した。グループ企業の子会社化で来期の売上高は倍増して5000億円規模に

日本空港ビル

日本空港ビル

<日本空港ビル/本業に集中>
羽田空港ターミナルビルを経営。入居テナントを厳選し、収益性アップを追求している。東京五輪に向けた再拡張による増便で空港利用者の増加が予想され、増収増益が加速か

※チャートはすべて2010年1月21日から2015年1月20日までの週足。「安値」「高値」はその期間内の最安値と最高値のこと

【大神田貴文氏】
株式ジャーナリスト。国内大手証券会社などを経て現職。マーケットに精通しているだけでなく、個別企業の裏情報も知る事情通。金融、経済政策にも強い

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