スペイン、ついに2度目の非常事態宣言。スペイン在住記者が感じたこと

マドリッド

マドリッド。非常事態宣言を受けて道路封鎖を行う警察官。
Alvaro Laguna / Shutterstock.com

スペイン、ついに2度目の非常事態宣言へ

 10月25日、スペイン政府は2度目の2週間の非常事態宣言を発令した。前回同様に議会の承認を得て来年5月9日まで延長・継続するとした。ところが、野党では5月9日までは長すぎるという意見がある。今後の調整が必要かもしれない。  前回の3月から6月まで続いた非常事態宣言は当初から3か月間の予定としていたことから、感染を抑えるにはもう暫く延長が必要だとされていたが、それ以後の延長は野党や企業からの圧力がありやむを得ずそれを終了させたという事情があった。今回はそれを回避するために政府は一応来年5月9日まで、としたのである。  今回の非常事態宣言は前回のそれに比較して柔軟性をもたせている。唯一、新たに規制されたのは住民の夜の移動を制限しただけである。それを政府は夜11時から翌朝6時までとした。なお、この時間帯については各自治州が独自に決められるとした。例えば筆者が在住しているバレンシア州の場合は州政府はそれを夜12時から翌朝6時までとした。

物議を醸す「夜間外出制限」

 テレビでジャーナリストの討論会があったが、マドリード州では夜12時以降の移動が禁止されたということについて記者のひとりが「レストランで勤務している者がシャッターを閉めるのが夜12時、移動禁止も夜の12時だ。どうやって12時までに帰宅できるのだ?」と他の出席者に尋ねる場面があった。  スペインは週末になるとナイトライフを愉しむ人が多く、レストランでも夕食は9時前後から始まって、店を閉めるのは夜中の1時過ぎになるというのが常だ。また、バルやパブは夜中2時から3時すぎまで営業しているのはザラにある。そこでは仲間が集まってマスクもせずに声高に喋ったりする場合が良くある。さらに、大勢の若者が広場に集まってボテリョン((スペインの若者の間で流行ってる野外飲み。以前の記事を参照))を夜遅くまでやっている。これらは感染する可能性が高い。それを防止するためには移動を制限するとして今回の夜11時以降からの移動を禁止するとしたのである。  ガリシア地方で25日に若者4人が墓地でボテリョンをやっていたというのが発覚している。警察も墓地までは監視しないだろうと若者たちは考えたようである。これなどは先祖を冒とくするもので許されるべき行為ではないと思われる。なお、ディスクティーク(クラブ)についてはすでに営業は停止されている。  例えば、バレンシア州の場合は、バルやレストランも通常のテーブル数の半分しか使えず、また路上に出すテーブルの場合は通常の6割までしか使えない。また、一つのテーブルには最高6人までと制限されている。このような制限は他州でもほぼ同様である。通常の営業の半分しかできない。その上、今回は夜の移動時間制限が設けられたということで飲食業者は採算面でさらに厳しい状況に追い込まれることになる。  なお、カタルーニャの場合は飲食店の営業は依然停止されている。また、住んでいる地区から他の地区に移動することも禁止する規制を設けた自治州もある。
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スペイン全域でWHOの感染危険地域水準の感染者数
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