クラウドワークスには、「自分らしい働き方の実現を支援する完全オンラインの学校」をコンセプトにしたクラウドカレッジという学びの場がある。
ここでは、共に学ぶ仲間に相談ができる「コミュニティ」、仲間と一緒に力をつけられる期間限定の「トレーニング」、動画を見て知識を身につける「スキルアップ」の場が用意されている。
「ひとり親向けライター育成プログラム」は、クラウドカレッジにある「WEBライター育成プログラム」をベースにした特別講座。通常は1万8000円(税別)するが、無償で受講できる。
「『ひとり親向けライター育成プログラム』は、9月15日〜10月14日までの1ヶ月間の期間限定講座です。『心に響く文章を書くにはどうすればいいか』などの6つのテーマの動画を見てライティングを学び、テーマごとに課題を提出していただきます。最終的には、WEBライター検定2級を受検し、資格取得を目指していただきます」(岩井さん)
WEBライター検定とは、クラウドワークスが独自に設けたラインティングスキルの検定のこと。1~3級まであり、2級では「構成案に基づいて、読み手の心を動かす文章を作成できる実務能力を証明できる」ことが合格ラインだ。通常、検定料は1万円(税別)するが、「ひとり親向けライター育成プログラム」のカリキュラムに含まれているため、無料で受けられる。
プログラムの特徴の一つが、オンラインコミュニケーションツール「Slack」による参加者コミュニティーの構築だ。
「一緒に学んでいる仲間がいるという感覚を持ち、励まし合って受講いただける参加者限定のコミュニティがあります。課題の進行状況や、不安に感じていることをコミュニティー内で共有いただくことで、受講者同士の繋がりを持っていただけるのも、本プログラムの良さかと思います」
9月15日にはオンラインで、プログラムの概要や今後の進め方についての受講者への説明や受講者同士の交流を目的とした「キックオフミーティング」が開催された。
事務局担当者として参加した岩井さんは、「初回のためミーティング開始時には不安そうな表情を浮かべた方が多かったですが、時間が経つにつれて緊張が緩み、和やかな雰囲気でした。これからの1ヶ月を前向きに、楽しみに捉えてくれていました」とミーティングの様子を話す。
岩井さんによれば、受講者からは「収入が大幅に下がったので、在宅やオンラインを活用してできる仕事を探していました。このようなプログラムは本当にありがたいです」「この学びのチャンスを生かします」「これから勉強するのが楽しみです」といった前向きな感想が相次いでいるという。
キックオフミーティングに続き、「オンライン相談会」や「クラウドワーカー基礎講座」といったイベントが企画されており、受講者の不安や疑問に寄り添う工夫が随所に見られる。これにより、受講者はコミュニティー内で仲間と切磋琢磨しながら、安心して課題に取り組める。
「ひとり親の悩みを共有、励ましあいながら、学習ができて良かったです」
1ヶ月のプログラムを終えた参加者の女性は、感想を次のように話してくれた。
「私は、子育てとの兼ね合いもあることから、自宅で仕事をしています。ライティングの仕事の経験はありませんでしたが、仕事の幅を広げたいと思いから受講を決意しました。
プログラムで出される全ての課題は自宅でできたため、移動の必要がなく、助かりましたね。学習が進むにつれて課題の内容が難しくなり、学習時間も長くなりましたが、子どもを寝かしつけた後に課題に取り組む時間を作りました」
女性がプログラム中で特に良いと感じたのは、参加者限定のSlackで繋がる仲間の存在だった。
「毎日日報を書くことになっているので、そこで進捗や感想を報告しつつ、他の参加者と励まし合いました。こうした関係が築けたことで、頑張ることができました。ひとり親だからこそ感じる気持ちに寄り添い、共感できることも多かったです」
学習の機会と繋がりの創出は、本プロジェクトの大きな魅力だ。女性は「まだ試験結果はわかりませんが、今回受講できて本当に良かったです。学んだことを生かし、ライティングの仕事に挑戦しようと思っています。このような機会をいただけて、関係者の皆さんに本当に感謝しています」と今後への前向きな気持ちを示した。
岩井さんは受講者の理想の姿について、「プログラム受講終了後は、クラウドソーシング等を活用してご自身で仕事を受注し、ぜひ収入アップに繋げていただきたいです」と語った。
フローレンスでは、長友選手のプロジェクト「#ひとり親をみんなで支えよう」と連携し、今後新たなひとり親支援策を打ち出すとしている。
<取材・文/薗部雄一>