菅政権は第三次安倍政権にすぎない。原発推進政策はまったく変わらない!?

平沢勝栄・復興大臣は原発政策について「福島県民の思いを発言していきたい」

会見を行う平沢勝栄・復興大臣

会見を行う平沢勝栄・復興大臣

 脱原発を望む福島県民の思いを発信する役割の平沢勝栄・復興大臣が10月9日、会見を行った。  筆者はその場で「小泉純一郎元首相が菅首相に緊急直言!『脱原発を目指せば長期政権もあり得る』」と銘打った『サンデー毎日』の記事(10月18日号=6日発売)の内容から、「『総理が決断すれば原発ゼロはすぐに実現する』『与野党も反対できないから長期政権も可能だ』と述べている」と紹介。そのうえで「福島県民が望んでいる『(原発事故による)こんな被害を二度と繰り返してほしくない。他県の人に味あわせてほしくない』という思いとも合致していると思うが、小泉元総理の提言への受け止めと、菅総理に提案する考えはあるのでしょうか」と聞いたところ、平沢氏はこう答えたのだ。 「記事を読んでいないのでコメントできない」 「福島県民の意見等を踏まえて今後の対応を検討したい」  あまりに素っ気ない回答だったので「原発政策に関する大臣自身の意見を聞きたい。福島県民の思いを受けて大臣自身はどう行動するのか」と再質問したところ、抽象的ながらこんな前向きな発言が返ってきた。 「福島県民の思いを十分聞いて、政府の中でしっかりと福島県民の思いを発言していきたいと思う」  脱原発を望む福島県民の思いを発信しているのが、いまでも全国講演行脚を続ける小泉元首相だ。その講演でよく口にするのが「首相が決断すれば、原発ゼロはすぐに実現する」ということ。  そして実際に安倍首相(当時)に直訴していたが、聞き流されるだけだった。“原子力ムラ内閣”“経産内閣”とも呼ばれた安倍政権は、原発推進の総本山の経産省出身官僚が官邸で強い影響力を持っていた。その代表格の今井尚哉首相秘書官が菅政権誕生とともに退任。エネルギー政策を転換しやすい状況になってはいるのだ。  先の『サンデー毎日』の記事で聞き手の倉重篤郎・毎日新聞専門編集委員が、小泉氏に「原発政策、転換の好機?」と聞いたのはこのためだ。そして見出しにもなった次のような発言が飛び出していた。 「まさに大きなチャンスだ。菅政権が原発ゼロにして自然エネルギーで発展できる国にしようと決断すればできることだ。今原発をやめると言うと野党は反対できない。自民党も反対できない。反対する勢力は1割かそこらだろう。与野党の支持を受けるからこその長期政権だ。大きなチャンスが目の前にある。菅さんがそれに気がつくかどうかだ」  このチャンスに気がつく進言役を平沢大臣が買って出るのではないか? と筆者は思って大臣会見で質問したのだが、9日の時点では未読状態。しかし「福島県民の思いを発言していきたい」という意気込みは語っていた。かつての小泉氏と同じように、平沢大臣が菅首相に脱原発の直訴をするのか否かが注目される。

「原発批判」をするなと指示する「東日本大震災・原子力災害伝承館」

東日本大震災・原子力災害伝承館

東日本大震災・原子力災害伝承館

 しかし9月26日に福島訪問をした菅首相の言動を見る限り、首相自身には原発政策転換の兆しすらない。福島第一原発を視察した後、「県立ふたば未来学園」(広野町)で学生から原発事故の風評被害対策に関するプレゼンを直に聞いたのに、講評で菅首相は原発について全く触れなかった。  その直後の会見でも今後の原発政策については語らなかった。そこで、安倍政権の原発推進政策を続けるのか否かの声掛け質問を2回したが、一言も発しなかったのだ(筆者記事「菅首相・河野大臣を直撃。『異論を排して国策を強行する』姿があらわに」参照)。  菅首相が平沢大臣らと一緒に視察した「東日本大震災・原子力災害伝承館」(双葉町)に対して、「(複合災害を経験した)福島の歩みを大いに発信する施設。多くの皆さんを感動させ、学習させるものがある」と称賛したのにも唖然とした。  この実態を9月23日の『朝日新聞』が「語れない『語り部』 特定団体の批判含めぬよう求める手引『被害者の私たち東電や国批判できぬのか』」という見出しで報じた(Web版では、『国や東電の批判NG? 伝承館語り部に要求、原稿添削も』という見出しで公開)。「福島の歩み」と言いながら、その内実は東京電力や国の批判につながるようなものは排除されるものだったのだ。
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原子力伝承館に語り部が抱いた違和感
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