「肉食離れ」は進むのか? 増えつつある「代替肉」製品を食べてみた
2020.10.15
ヴィーガンの文化が世界的な広がりを見せています。その裏には、環境問題への関心と肉食離れがあるようです。そんな中、大手流通グループ「イオン」が、食感や味を肉に似せた代替肉の商品を発売。実際に食べてみました。
現在、多くの先進国では、食肉消費量を減らす政策が打ち出されています。数年前には、国連の専門家も菜食中心の食事を推奨しました。実際に、ドイツやデンマーク、スウェーデンでは「食肉税」の導入が検討され、肉を食べる人への風当たりが年々増しているといっていいでしょう。
その背景には、いくつかの要因がありますが、温室効果ガスの排出に食肉が大きく影響を与えているという研究結果があります。
FAO(国連食糧農業機関)の発表によると、畜産業から出される温室効果ガスは人為的に排出される温室効果ガス全体の約15%に相当する、年間およそ7.1ギガトンにのぼるといいます。
また、食肉用の動物を飼育するには、広大な土地や膨大な飼料と水が必要とされ、これが地球環境を圧迫していると考える向きもあるのです。
さらに、動物愛護という思想的な背景も手伝ってヴィーガン文化のような「肉離れ」は進んでいます。ヴィーガン発祥の地イギリスにおけるヴィーガンの割合は約60万人(2018年)程度で、人口の1%ほどにしか過ぎず、大きな流れとは言えないようにも見えます。しかし、その60万人のうち42%の人が「1年以内にヴィーガンに切り替えたばかり」という調査結果があり、その数が急激に増加していることが見えてくるのです。
そうした中、大手流通グループ「イオン」は、プライベートブランド「トップバリュ」から、植物由来の新商品を複数発売しました。
まずは「大豆からつくったハンバーグ(バジル香るコク旨なトマトのソース)」。食感や味を肉に似せた代替肉の原料として重宝される大豆が原料となっています。レンジか湯煎で温めて手軽に作れるのも魅力で、調理時間はレンジなら2分かかりません。
その味はというと、食感は細挽きされたひき肉に限りなく似ており、これが本物の肉ではないとは思えないほど。逆に、粗めに切られた玉ねぎの食感がアクセントになり、ハンバーグらしい食べ応えを実現しています。
また、その玉ねぎの甘みとマッチするトマトソースは、酸味が抑えられ老若男女に受け入れられやすい優しい味付け。よく観察してみると、粗挽きのハンバーグに見られる見た目の凹凸が少ない部分から代替肉であることがわかりますが、ソースをかけてしまえばそれも気になりません。ただ、咀嚼する中で感じられる香りが肉ではなく豆であることを伝えてきます。
とはいえ、何も知らされずに食べたら代替肉であることはなかなか気が付けないようなクオリティになっています。1個180gというたっぷりの大きさも、満足感充分の一品です。
世界的な「肉離れ」の現状
イオンから発売されたベジティブ
1
2
ハッシュタグ