10月12日のリオデジャネイロ。さすがにマスクをしているが、全くもって「密」である。 (Photo by Fabio Teixeira/Anadolu Agency via Getty Images)
感染者数510万人、死者数が15万1000人となったブラジル
10月5日までのブラジルにおけるコロナ感染による累計感染者数は494万人、死者数は14万7000人だったが、13日にはそれが510万人、15万1000人となってしまった。死者が一番多いはサンパウロの3万7279人、2番目はリオデジャネイロの1万9312人となっている。しかし、これは飽くまでまで公式データーであって、実際はこの数字を遥かに上回っているはずだ。(参照:
Google)
感染被害拡大の要因は、ラテン民族の気質的なものという説もあるが、実際のところ「
格差社会」が大きな要素を占めている。貧困層が多いと同じ屋根の下で感染者だけが自主隔離できる部屋がないというのが大半なのである。
ブラジルではファベラと呼ばれているバラック住宅で生活している人が520万人いるとされている。彼らがコロナに感染すれば自主隔離することは不可能である。その為の部屋がないのだ。(参照:「
Infobae」)
関係当局が封鎖を決定して住民に不要不急の外出を禁止しても、貧困層は生活の糧を求める必要から家に閉じこもっていることができない。それを途中で投げ出す住民も多くいる。これらの要因がコロナの感染を拡げることに繋がっている。
これが「陽気で楽天的なラテン気質」なのかはさておき、感染拡大に一役買ったことに「気の緩み」もある。
例えば、サンパウロではジョアオ・ドリア州知事が感染初期の段階で封鎖を指令したが、要求されている基準が満たされるようになれば封鎖を緩和する用意があることを表明した途端に封鎖解除はそれほど遠くないと住民は考えるようになり気の緩みが発生。それが感染を助長するようになった。最初からいつまで封鎖を続けるということを明確にしておけば完全ではないにしろ住民の気の緩みも避けれたかもしれない。
4月のイースターの時でも封鎖の規制が厳格に実施されていなかったので、多くの住民が旅行に出かけた。ということで人の移動が増加してそれがまた感染の拡大につながったのだ。