無知に浅知恵、はてはデマまで。日本学術会議会員任命拒否問題が露呈させた与党自民党政治家の低劣ぶり
陰謀論まがいの脅威論を流布する議員こそ安全保障上の問題
最大級の低劣さを晒した長島昭久衆院議員
長島議員は日本学術会議OBがそのまま日本学士院の会員へスライドし、終身年金を受給できるかのように語っていますが、事実無根です。日本学術会議と日本学士院とは目的も機能も、また会員となる要件も全く異なります。前者は政府の所管する諮問機関で会員は任期制であり、後者は「学術上功績顕著な科学者を優遇するための機関」(日本学士院法第1条)、つまり功労の多大な科学者の栄典・顕彰を目的とした機関です(会員は終身制)。人間国宝や文化功労者、あるいは叙勲・褒章などと同趣のものと考えてよいでしょうが、ただ学士院の場合、会員が寄稿する紀要の発行や資料の収蔵管理などを行う学術研究機関としての機能も持っています。 日本学士院の公式ウェブサイトを見れば即座にわかるのですが、現在の150名の定員はノーベル賞受賞者をはじめ各分野の権威中の権威といえる科学者で占められていて、法令に基づいて会員1人あたり250万円の年金が支給されています。この数字をどう見るかは人によってさまざまでしょうが、日本の学術への長年にわたる、そして圧倒的なまでの功績に報いるべく支払われる額としては、実にささやかなものだと筆者は思わざるを得ません。科学者として、その人生の大部分を費やして人類の知の領土を大きく拡げてくれた方々を皆で支え、その功績を讃えることを躊躇うほど、人間として落ちぶれたくはないものです。 この長島議員のツイートを受けてなのか、「この人たち(日本学術会議会員のこと)6年働いたら、そのあと学士院という所に行って年間250万円年金貰えるんですよ、死ぬまで。皆さんの税金から。そういうルールになってる」と発言したテレビ解説者がいたそうですが、上記の通り金額以外は徹頭徹尾デマです。後日別の番組内で訂正したそうですが……。日本学術会議問題は、政府から明快な説明責任が果たされるべきであることは勿論、首相直轄の内閣府組織として年間10億円の税金が投じられる日本学術会議の実態や、そのOBが所属する日本学士院へ年間6億円も支出されその2/3を財源に終身年金が給付されていること等も国民が知る良い機会にして貰いたい。
— 長島昭久 Akihisa NAGASHIMA, MP (@nagashima21) October 3, 2020
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