また、この曲が全米チャートの上位で話題になっている間に、BTSのライバル的存在がデビュー・アルバムを全世界的にリリースした。それが
SuperMだ。
彼らはKポップ・シーンを20年もわたりリードしてきた芸能事務所、SMエンターテイメントがBTS(彼らは比較的、新興勢力のビッグヒット・エンターテイメント所属)に対抗するように、所属アーティストのなかから
ヴォーカル・ラップ・ダンスでトップクラスのメンバーを選抜して作った、いわば「
Kポップ界のアベンジャーズ」と呼ぶ人もいるほどのスーパー・グループ。BTSに次ぐ韓国で2番めの人気グループの
EXOをはじめ、全米進出にも成功している
NCT127、
SHINEEといった人気グループからメンバーを選抜されている。
昨年の時点でデビュー・ミニ・アルバムがすでに全米1位に輝いているが、9月25日発売のデビュー・フル・アルバム『Super One』でBTSに対抗することとなる。リード・シンガー、ベッキョンの並外れたソウルフルなハイトーン・ヴォイスによる絶唱をはじめ、今どき、本場アメリカの黒人のR&Bでも聴かれなくなった正統派のR&Bを堪能できる。
BTS、SuperMに続いては、Kポップの女性アーティストの代表格
BLACKPINKだ。彼女たちは2019年4月、アメリカ最大人気のロック・フェス「
コーチェラ・フェスティバル」に出演。そこで堂々たるパフォーマンスを披露し、一夜にして世界的な人気グループとなった。
今や
国際的なファンの数ではBTSに次ぐ存在。音楽界での注目度も高く、
レディ・ガガが今年発表した最新アルバムで彼女たちをゲストに招いたほどだ。
BLACKPINKは、これまで、いきおい男性受けのいいかわいらしさに走りがちな印象があったアジアの女のコ像とは違った「
同性が惚れる、媚びないたくましさ」をアピールしている。俗に「
ガール・クラッシュ」とも呼ばれたそのイメージで、これまでアジア人女性がアピール不足のおとなしい印象に見えていた
欧米の女性たちのハートをも捉えた。
そんな彼女たちは、ラッパー・ジェニーの挑発的かつエキゾチックなラップが牽引する、
メロディよりもグルーヴで勝負する、攻めのアッパー・チューンが魅力だ。
すでに
YouTubeでのミュージック・ヴィデオの閲覧数の記録をも打ち立てるほど話題沸騰の彼女たちだが、10月2日にリリースされた待望のデビュー・アルバム『The Album』が巻き起こすであろうセンセーションにも注目だ。10月14日からはネットフリックスで彼女たちをテーマにしたドキュメンタリー映画も配信される。
<取材・文/沢田太陽>