菅首相・河野大臣を直撃。「異論を排して国策を強行する」姿があらわに

沖縄を訪問した河野太郎大臣も、辺野古埋め立てには一言も触れず

辺野古については一言も語らなかった河野大臣

辺野古については一言も語らなかった河野大臣

 菅政権(首相)の国策ゴリ押しの姿勢は、沖縄の辺野古埋め立てでも同じだった。「河野には、俺がやりたいことをやってもらおうと思う」「俺はつくる。ぶち壊すのは河野にやってもらう」(菅首相)と、河野太郎・行政改革担当大臣を斬り込み隊長役として前面に押し出していた。  その河野大臣(沖縄・北方領土担当も兼務)は9月19日、玉城デニー知事らと沖縄県庁で面談した。そして米軍「普天間飛行場」移設先である辺野古新基地埋立(移設)の断念を含む要望書を知事から受け取った。しかし河野大臣も、辺野古の「へ」の字すら語らなかったのだ。  知事や県議会議長らとの面談を終えた後の囲み取材でも基地関連の質問も出たが、ここでも河野大臣は「沖縄の基地問題は、経済振興を考えるうえで避けて通れないと思う」と抽象的な話に終始した。  しかも会見時間はたった5分間で、質問できたのは2名だけ。そこで会見終了が宣言された瞬間、「大臣、辺野古の見直しについて一言。『地震で壊れる欠陥基地』と言われていますが、行革の対象外なのですか。国策はそのまま進めるのですか」と大声で叫んだが、河野氏は無言のまま、こちらを振り返ることなくエレベーターに乗り込んだ。  新基地埋め立て予定地については、沖縄県が「工事費は2兆5500億円、工期は13年」と見積もる独自試算を発表していた。安倍政権も2019年12月になってようやく、従来の想定の3500億円以上から3倍近い9000億円程度かかることを認めた。しかも専門家からは、地震で護岸が崩れるリスクも指摘されている。  欠陥基地建設のための税金無駄遣い対して、2度目の行革担当大臣となった河野大臣(沖縄・北方領土担当も兼務)はまったく斬り込もうとしないのだ。

「合理主義者」から「権力迎合主義者」に変節した河野太郎

玉城デニー知事から辺野古埋め立て(移設)断念を含む要望書を受け取った河野大臣

玉城デニー知事から辺野古埋め立て(移設)断念を含む要望書を受け取った河野大臣

 9月17日配信の『毎日新聞』の記事は、河野大臣を次のように評価した。 「河野氏は『無駄撲滅』に心血を注ぐ合理主義者で、防衛相時代にはコスト高が指摘された陸上配備型迎撃ミサイルシステム『イージス・アショア』の配備停止を主導。霞が関には『破壊者』(内閣府幹部)と恐れられる」  菅政権の閣僚として沖縄訪問をした河野大臣の実像は、これとは正反対であるように筆者の目には映った。かつて「無駄撲滅」に心血を注いだ「合理主義者」は、税金の無駄遣いを見て見ぬふりする「権力迎合主義者」に変節したとしか見えなかった。  玉城知事から手渡しされた要望書には、次のように明記されていた。 「辺野古新基地建設に反対する県民の民意は、過去2回の知事選挙をはじめ、一連の選挙において示され続けております。また、昨年2月に行われた辺野古埋立てに絞った県民投票においても、反対の民意が圧倒的多数で明確に示されたことは、極めて重いものであります」  そして「県民の理解が得られない辺野古移設計画を断念すること」と結ばれていた。  税金の無駄撲滅のプロとして、河野大臣は地元の民意にも専門家の異論にも耳を傾けずに、国策をゴリ押ししていく。これでは、菅首相に追随するだけの「権力迎合型の非合理主義者」に河野大臣は変節してしまったとしか見えない。  日本学術会議問題でも原発政策でも辺野古埋め立てでも、十分な説明責任を果たさないまま、異論を排除しながら国策ゴリ押しに邁進するのが菅政権の特徴といえるのだ。 <文・写真/横田一>
ジャーナリスト。8月7日に新刊『仮面 虚飾の女帝・小池百合子』(扶桑社)を刊行。他に、小泉純一郎元首相の「原発ゼロ」に関する発言をまとめた『黙って寝てはいられない』(小泉純一郎/談、吉原毅/編)の編集協力、『検証・小池都政』(緑風出版)など著書多数
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仮面 虚飾の女帝・小池百合子

都民のためでも、国民のためでもない、すべては「自分ファースト」だ

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