この母と娘はクルド難民です。仮放免手続きの日に2人とも収容されました。収容されるとき、大勢の職員に腕や指までも乱暴に捕まれて連れて行かれました。その時のショックと痛みが消えないと面会では泣いていました。医務室で痛みを訴えても、職員や常勤医に「本当に~?」と疑うように言われ、さらに傷ついてしまいました。
面会では、
自分の国も日本もいらないから、どこか別の国に行きたいと泣いていました。
「日本いらない」
日本人である私にとって、さすがにそう言われるのは辛いです。でも言わせているのは難民として庇護を求めてきた人たちを大事にしない日本なので、彼女たちを責めようがありません。もっと優しい、他国から好かれる国になってほしいといつも願います。
UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の方がパネリストの集会があり、私もそこに一般参加者として出席しました。その集会で、キューバから来た難民の女性が発言をしました。
彼女は収容経験があり、解放後しばらくしてビザを得ました。入管は
「全件収容主義」と呼ばれるやり方で、難民かもしれない人でも問答無用で収容します。収容生活によって心身がボロボロになった後で、やっとビザが出る人もいます。彼女は収容中に日本のUNHCRに助けを求めましたが、
「個人のケースは受けない」と言われました。
難民は個人で来る人も多いのに、その言葉には筆者も疑問を感じます。もう少し、手を差し伸べてくれてもいいのではないかと。
ビザが出て他の国にも行けるようになった彼女は日本に失望して、別の国に行ってしまいました。これでいいのか、残念な気持ちになりました。せめて今、幸せであることを願います。