スペイン最大の石油会社レプソル、トランプ政権の圧力で3億4000万ユーロを棒に振るベネズエラ撤退の可能性

マドリードのレプソル本社

マドリードのレプソル本社 
Ivan Marc / Shutterstock.com

スペインのレプソルが立たされた苦境

 ベネズエラの原油とガスの採掘に参加しているスペインで最大の石油会社レプソル(Repsol)が米国トランプ政権から強い圧力を受けて近い将来ベネズエラからの撤退を余儀なくさせられている。撤退しない場合は米国からの制裁が待っている。  スペインの外相アランチャ・ゴンサレスレもレプソルがベネズエラでの活動が米国からの圧力で制約されていることから「近く撤退する」と見ている。〈参照:「Voz Populi」〉  レプソルは米国でも日量11万3600バレルの原油を採油している。それを犠牲にするわけにはいかないからだ。〈参照:「Cambio16」〉  しかも、ベネズエラでの採掘には常に困難が伴っている。これまでレプソルがベネズエラに留まって来た理由は、ベネズエラが世界で最大の原油の埋蔵量を持っていることからの将来性と、2016年にベネズエラ石油公社(Pdvsa)に10億ユーロ(1200億円)を融資したことからその返済を原油で相殺しているからだ。その結果、2019年末までに返済残額は3億4000万ユーロまで縮小された。

ベネズエラでの採油にやる気満々だったレプソルだが……

 米国がレプソルに撤退するように圧力を強めているのは、マドゥロ政権を早急に資金的に崩壊させようとしていることが理由だ。それに、マドゥロ政権がベネズエラ石油公社の民営化を図ろうとしており、その売却先としてレプソルにもこの話を持ち掛けているからだ。トランプ政権はレプソルに圧力を加えてそれを阻止させる意向ももっている。  何しろ、今年4月にもレプソルのCEOアントニオ・ブルファウはベネズエラには少なくともこの先20年は留まりたいという意向を表明して採油量を増やすことに関心を表明していたからだ。レプソルのベネズエラへの進出は1993年であった。  レプソルは現在8つのブロックで現地企業とのジョイントベンチャーによる採油で2019年には日量70万9000バレルを達成したが、米国からの圧力もありその生産量を縮小させている。〈参照:「Cambio16」〉  一方のベネズエラもレプソルの残留を望んでおり、今年1月15日にマドリード空港にベネズエラのデルシー・ロドリゲス外相とフェリックス・プラセンシア観光相に加え数名の高官が特別機ファルコン900LXで到着し14時間滞留するという出来事があった。なぜマドリードに来たのかという理由はいまだに明白にされていない。が、その目的のひとつにレプソルの誰か役員と会談を持つ意向があったのではないかと憶測されている。
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米国がレプソルにかました「揺さぶり」
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