菅原議員は当日駅頭を行った場所をFacebookに掲載しているが、先週駅頭を行った月曜から金曜のうち、8日の火曜のみ駅頭場所を記載しなかった。
不審に思い、背景の画像に写った建物などから調べてみると、この日の駅頭は選挙区外の成増駅前で行われていた。同駅は練馬区旭町の2丁目と3丁目が至近で東京都第9区の有権者の一部も利用はしているものの、利用者の多くは東京第11区の有権者で板橋区民だ。遡って菅原議員のSNS等を調べたが、菅原議員がこれまで成増駅前において駅頭を行った形跡は見当たらない。ではなぜ、わざわざ自身の選挙区以外で駅頭を行ったのか。
筆者は、前日に菅原議員の駅頭再開について、Twitter上で目撃情報の提供を呼びかけ、直撃取材を仄めかしていた。筆者のこうした動きを警戒し、選挙区以外の場所を選択したと見ている。
再開後、菅原議員がどこで駅頭を行ってきたのかを見てみよう。
9/7(月) 中村橋駅前(東京9区)
9/8(火) 成増駅前(東京11区)
9/9(水) 保谷駅前(東京9区)
9/10(木) 練馬高野台駅前(東京9区)
9/11(金) 石神井公園駅前(東京9区)
9/14(月) 富士見台駅前(東京9区)
石神井公園駅では行っているものの、その他に東京9区内で主要駅とされる練馬駅や大泉学園駅、光が丘駅には立っていない。
今回、筆者が菅原議員の駅頭場所を突き止めるため東京9区内の各駅を回ったのは8日と11日だ。両日とも菅原議員の駅頭には遭遇できなかったが、11日はいくつかの駅前をチェックした後、8時過ぎに到着した石神井公園駅前で菅原議員の秘書2人が駅頭の後片付けをしているところに行き会った。すでに駅頭は終了しており代議士も去った後だった。
菅原議員のスタッフTシャツを着て駅頭の後片付けをする秘書たち
幟を片付ける政策秘書の石黒氏に確認すると、今回の駅頭で配布しているのは菅氏の総裁選チラシのみ。
配布していたのは菅氏の総裁選チラシのみ
この日、菅原議員は8時16分にFacebookへ「今朝は6:30から8:15まで石神井公園駅にてマイクを握りました」と投稿。
9月11日8時16分にFacebookへ“8:15”まで石神井公園駅でマイクを握っていたと筆者が現場で見たことと異なる内容を投稿(すがわら一秀Facebookより)
しかし、当日、筆者が石神井公園駅前で幟などを片付ける菅原事務所の秘書たちを発見したのは8時6分で、すでに菅原議員はその場にいなかった。にもかかわらず8時15分まで同駅前でマイクを握っていたと話を”盛った”のだ。
細かいことだが、こんなところにも菅原議員の偽装体質が表れている。
筆者の撮影データから、8時6分の時点で菅原議員はマイクを握っていなかったことが判明
昨年10月、有権者への贈答品や香典配布疑惑の追及に対し、メディアに「事務所内を調査中です」などと述べていた菅原議員、その裏では
有権者買収の“顧客リスト”を破棄するよう命じていたことが明らかとなっている。
菅義偉政権の下で復権を目論む菅原議員。その前に、有権者への説明責任を果たすべきであろう。
<取材・文・撮影/鈴木エイト(ジャーナリスト)>