薬物所持逮捕者の出演作配信停止という「過剰反応」。その根源は何なのか?
伊勢谷容疑者の出演作が次々と配信停止に
各種報道でも盛んに言及されている通り、2020年9月8日に俳優の伊勢谷友介容疑者が大麻取締法違反の容疑で警視庁に逮捕された。
この影響を受け、伊勢谷容疑者とエージェント契約を結ぶ芸能事務所の「カクトエンタテインメント」は契約解除の方針を示した。
SNSやワイドショーでは伊勢谷容疑者に対する非難や失望の声が数多く上がっているが、世論に異を唱える著名人も少なくない。同じく俳優の窪塚洋介氏は、SNS上で「誰も被害者のいない犯罪を犯した者に対して、皆でよってたかって石を投げている日本国民特有のその姿が気持ち悪い。(法律上、犯罪は犯罪なのでそこに異論はありませんが、更生しやり直す可能性やその意志の芽まで摘むような所業はどうかと思います。)」とコメント。
同時に、伊勢谷容疑者個人の問題ではなく、“そもそも大麻の所持、使用を罪に問うことは適当なのか”という問題にも言及している。実際、この事件を機に「大麻合法化」をめぐる議論も盛んになっている。
本記事ではこのような議論に論点を当てはしないが、伊勢谷容疑者の逮捕に対する反応が必ずしも非難一色でないことは注目に値する。
では、筆者は伊勢谷容疑者の逮捕をめぐるどのような点に異を唱えたいのかといえば、各種報道で言及されている「伊勢谷容疑者が過去に出演した作品の映像配信を停止した」という部分だ。
NHKはドラマスペシャル『白洲次郎』、大河ドラマ『龍馬伝』といった作品の配信を停止。TVer社は、9月5日に完結した日本テレビ放送のドラマ『未満警察 ミッドナイトランナー』最終回の配信も配信サービス「TVer」上で停止した。
薬物使用自体は「直接的な被害者がいない」罪
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