夫が亡くなった直後、押しかけてきたマスコミへの恐怖
赤木雅子さんの受賞を1面で伝える『大阪日日新聞』
それはもちろん親しみを込めたお祝いの意味で伝えてくれたことはよくわかっています。けれども赤木さんには、受賞を機会にマスコミの人たちに訴えたいことがあります。それは「マスコミと遺族の関係」について。2年半前、夫が亡くなった直後の恐怖は今も忘れられないといいます。
「家の周りに群れをなしてマスコミの人たちが集まっているんです。私の気持ちを無視して。それはまさにマスコミの塊でした。夫を亡くしたばかりの私には恐怖でしかなかったんです。だから相澤さんにも最初は不信感と警戒心があって、夫の手記を託して公開しようと思うまでに2年間かかりました。
今はたくさんのマスコミの方に『私は真実が知りたい』という思いを伝えてもらって、とても感謝しています。だからこそ、なぜ最初にマスコミの恐怖を味わわなければならないのか。なんで遺族が弁護士を頼らなあかんのか。そこを訴えたいんです。『ありがとう、サンキュー』じゃ済まされないです」
日本ジャーナリスト会議賞の授賞式は10月10日に行われます。赤木雅子さん自身は出席できませんが、何らかの形で自分のメッセージを伝えたいと考えているとのことです。
<文・写真/相澤冬樹>