伊勢谷友介逮捕で高まる大麻合法化の声。ポーランドの売人に合法化の意見を聞いたら意外な答えが返ってきた
俳優の伊勢谷友介氏が大麻取締法違反の疑いで逮捕され、またも薬物汚染がお茶の間を騒がせている。近年、大麻については海外と比較して合法化を呼びかける声も少なくないが、果たして薬物事情の現実はいかなるものなのか?
当サイトでは過去にも欧州の薬物事情を取り上げてきたが、たしかに日本よりは“リベラル”で大麻などに緩いイメージも強いものの、いまだに「合法」という国は見当たらない。
例えば、日本で「合法」だと言われがちなチェコやオランダも、一定量の所持などは認められているが、「非犯罪化」されていると言ったほうが正しいだろう。同じく、ドイツなども州によってルールは異なる。決して「シロ」ではなく、あくまで「グレー」なのだ。
ただ、一般的に大麻に対しての取り締まりや世間の目が寛容なことは間違いない。筆者が滞在しているポーランドでも、週末に街を歩いていると明らかにタバコではない香りが漂っていたり、レストランやバーの喫煙席(屋内は基本的に禁煙)で堂々と大麻を吸っている人を見かけることは珍しくない。
「欧州各国で出回っている大麻は、暖かいスペインやポルトガル産のものが多い」と語るのは、“副業”で大麻を販売しているGさん(32歳)だ。日本よりも“先進国”とされているヨーロッパの薬物事情はどうなっているのだろう。
ポーランドの平均月給は約13万円。そんななか、薬物の値段は概ね次のとおりだ。
「地方都市では大麻で1グラム1100円〜1400円、コカインで8500円ぐらいですね。首都のワルシャワなど大きな街では物価も高いので、ドラッグの値段ももう少し上がります。大麻に関しては、数年前までは1000円を切っていたので、これでも『高い』と文句を言われることが多いです」
Gさんは週5日、しっかり本業で働きつつ、月に8万4000円〜14万円ほどの収入を大麻で得ているという。つまり、好調な月であれば平均月収よりも稼ぐことができるわけだ。
「売っているのは大麻だけで、それも客は知り合いがほとんどです。悪いことをしているという意識は全くないですね。コカインやMDMAなどはトラブルに巻き込まれる可能性もあるし、体にも悪い。それに目立つと警察にも犯罪組織にも目をつけられます。たまに自分で楽しんだり、友達にわけるぐらいで、『売り』には出していません。ポーランドは欧州一覚せい剤が安くて多いとも言われますが、もちろんそういったものにも絶対手出しはしませんね」
今年は猛暑が続いたことやコロナウイルスの影響で大麻は品薄が続いているが、あくまでもドラッグ・ディールは副業。Gさんは大麻の入荷量が減り続けるようであれば、そのままフェードアウトしていくことも考えているという。
欧州では「合法」の誤解
「副業」で平均月収を稼ぐ売人
1
2
ハッシュタグ