コロナパンデミックの影響でEU最大の失業者を出したのはスペインだった

観光立国ゆえの弱さ

 スペインの雇用での問題は一時雇いが多いということである。彼らの多くが観光業に関係している。観光シーズンが終わると雇用契約も解除となって失業者のリストに加わるということになる。ところが、今年は3月に封鎖が始まって観光客が減少。その影響でホテルや飲食業は人員削減または営業を停止して従業員を解雇または休業補償者のリストに加えるといったが手段が取られた。  一時雇用という面ではスペインと同様に一時雇いで働いている人が多いのがポーランドである。ところが、ポーランドの第1四半期は0.8%そして第2四半期は1.2%ということで2%の失業率を発生ということでスペインよりもかなり低い。その理由はポーランドでの一時雇用者の多くは生産業などに従事していると推測されている。スペインのように観光業に依存していないということなのである。  更に、スペインの場合は企業でも零細企業が多く、コロナパンデミックのような大規模な地震に匹敵するようなことが起きると、それに耐えるだけの体制になっていないということ。だから、倒産を回避するために従業員の削減か休業補償者の対象にしてしまったということなのである。  観光業への依存から脱皮できないスペインは必然的に一時雇用が中心になった雇用形態を長年変えることができにでいる。それがまた高い失業率を改善することができないでいる理由だ。 <文・写真/白石和幸>
しらいしかずゆき●スペイン在住の貿易コンサルタント。1973年にスペイン・バレンシアに留学以来、長くスペインで会社経営から現在は貿易コンサルタントに転身
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