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「介護職の現場は忙しく、出会いもありません。福祉科だった高校時代から周りは男ばかりで、仕事を始めてからは独身女性との出会いは皆無になりました」
そう嘆くのは、千葉県舞浜市で介護職員として働いている倉田篤さん(仮名・28歳)。福祉系の高校を卒業し、地元から遠くない場所で働き始めて10年になるという。
介護職員として堅実に働く倉田さんだが、収入が少なく、友人たちと比べてみじめな気持になることが多いという。
「地元は千葉ですが東京もすぐそこなので、休日には東京にも遊びに行きます。小中の友人の中には東京で一人暮らしして働いているヤツもいます。東京にしかいないようなかわいい子と付き合ったり、毎日のように合コンしたり、相席屋で散財したり、とにかく出会いが尽きない上にちゃんとモテている。逆に、実家を出るほどの給料もなく、女遊びもできない自分が惨めになります。
給料は手取り18万円程度で、とても東京で一人暮らしする余裕はありません。実家住まいということもあり、生活は保証されていますが、その分危機感もなく、貯金はあまりありません」
そんな倉田さん、実は25歳まで素人童貞だったという。アラサーにさしかかる年齢になり、慌てて開いてもらった合コンで、1度彼女ができたこともあったが、長続きはしなかったそうだ。しかし、そんな彼にも非モテ人生の転機が訪れたという。
「あの頃の自分はかっこよくもないし面白くもなかったと思います。それで彼女に2ヶ月で振られて……『このままずっと一人だったら』って、急に不安になってしまって。それで、男性向けのモテ関係の書籍やブログを読み漁ったんです。そんな中で僕が最も感銘を受けたのは、ナンパ関係の本でした。自分に自信をつけるためのナンパ術。これさえ身につけば、もっと自分に自信がつく。それに、念願だった彼女やモテも手に入る、と思ったんです」
年齢としてはアラサーになる倉田さんだが、風貌は少し若々しく見える。夏は白いスキニーデニムにデニムシャツが定番コーデだという。分かりやすく渋谷・六本木系のナンパ師っぽい服装を好むようだ。イケメン、という感じではない倉田さんだが、ナンパは彼の人生をどう変えたのか。
「ナンパを始めてから、生きる希望みたいなものは見えるようになりました。いろんな街に行くのが楽しくなったし、上手くいけば女性とも知り合えます。誰にも相手にされない日もあるけど、SNSでナンパ師のアカウントをフォローしていると、同じような人もたくさんいるので、その日がダメでも前を向けます。
僕はなるべくお金をかけずにコンバージョンするのが流儀なので、みんなが思うほどは女遊びにお金をかけません。飲み代やラブホ代も、基本的には割り勘。少ない給料の中でも遊べる日ができるようになって、休日が楽しみになりました」