ポスト安倍レース、菅義偉新政権で早期解散のシナリオあり!

「河野官房長官」で早期解散に打って出る!?

 麻生派では河野太郎防衛相が出馬に意欲を見せてきた(8月31日に出馬見送りへ)が、「麻生氏は義弟の鈴木俊一元五輪担当相を派閥の後継者にすることを考えていることもあって、『河野は総理にするには早すぎる』という姿勢」(同)。今や国民からの人気は石破氏を凌ぐ勢いだが、「イージス・アショア計画停止の際に『事前説明がなかった』と二階氏を激怒させるなど党内に溝もある」(二階派議員)という。  このほか、下村博文選対委員長や稲田朋美幹事長代行が出馬への意欲を見せてきたが、「重要ポスト狙いのアピールにすぎない」(前出記者)という。これらを踏まえると、藤本氏は「菅政権の布陣も見えてくる」と話す。 「調整役に徹する麻生氏は安倍首相辞任に伴い、財務相を降りると見ています。その重要ポストを岸田氏に譲れば、岸田氏の面目も立ち、その先の総理・総裁の芽も残る。岸田氏はかねてより幹事長ポストを要求してきましたが、副総理から財務相ポストを提示されたら断ることはできないでしょう。一方で麻生氏が要職を降りれば、二階氏も『自分だけ幹事長に居座るわけにはいかない』と身を引く決断をすると考えています。派閥の論理でいえば、首相ポストを握っていた派閥がそれを手放せば、幹事長ポストをもらうのが筋。安倍首相の出身派閥である細田派が、幹事長ポストを割り当てられると考えると、同派の下村氏が順当でしょう。今年の都知事選で都連会長として独自候補の擁立を目指していた下村氏に対して、二階氏は小池(百合子都知事)支持をゴリ押しした“借り”もある。選対委員長を務めてきた下村氏ならば、次期衆院選を仕切る幹事長としても申し分ない。自民党の次期衆院選の重要選挙区は東京。前回の’17年衆院選でかろうじて当選した若手の選挙区が東京に集中しているからです。この東京をてこ入れすることを考えても、下村幹事長は適任と言えるでしょう。さらに、菅氏と同じ神奈川県勢で発信力も人気もある河野氏を官房長官にして、“ポスト菅”の最有力候補にすれば政権の支持率アップは間違いない。河野氏は外相・防衛相を歴任し、安倍首相が力を入れてきた外交と安全保障の両面に精通していますから。同じく神奈川県勢で菅氏と近い小泉進次郎環境相を五輪担当相など華のあるポストにつけ、石破氏にも重要ポストを打診すれば最強の布陣に仕上がる」  さらに、麻生派の重鎮・甘利明税調会長もまた”神奈川県勢”だ。経済再生担当相時代の金銭授受疑惑がほじくり返されるリスクがあるため、閣内に入る可能性は低いが、神奈川ネットワーク力をいかして党役員人事で重要ポストを割り当てられる可能性も。  実際、このような布陣が実現するならば、「合流新党の結成直後でバタバタしている野党の間隙を突いた、秋の臨時国会冒頭解散で自民党は大勝する可能性もある」(全国紙政治部記者)という。「来年7月の都議選に向けて公明党の支持母体である創価学会は年明けから学会員を集結させて常勝を期すので、公明党としても年内解散は願ったり叶ったり」(鈴木氏)なのだ。  仮に早期解散で菅政権が大勝するようなら、来年9月の自民党総裁選までのワンポイントリリーフでなく、本格政権となることは間違いない。首相の電撃辞任は、ポスト安倍レースの先にある総選挙という熱すぎるバトルの狼煙ともなりそうだ。 ポスト安倍レース

「ポスト安倍」有力候補の面々

石破茂元幹事長(63歳) 石破派 鳥取1区 当選回数11 これまで3度の総裁選に出馬。安全保障、地方創生が長年のライフワークで、安倍首相と一騎打ちとなった’18年総裁選でも地方創生を政策の中心に掲げて戦った。議員の人気は低いが、党員からは総裁にと期待する声が高い。 ▼岸田文雄政調会長(63歳) 岸田派 広島1区 当選回数9 中間層への分配が不十分とアベノミクス修正に言及。安倍政権で4年8か月外相を務め、安倍首相からの信頼は厚く、意中の後継者とされていきた。しかし、指導力や情報発信力が課題で「選挙の顔にはならない」との声も。 ▼菅義偉官房長官(71歳) 無派閥 神奈川2区 当選回数8 新元号「令和」を発表し、一躍知名度がアップ。元総務大臣として、現在も携帯料金の値下げを積極的に主導する。また「Go To キャンペーン」を実行するなど、経済政策に強い。緊急事態を乗り切る大本命か。 ▼河野太郎防衛相(57歳) 麻生派 神奈川15区 当選回数8 祖父は日ソ共同宣言に尽力し、父は「河野談話」を発表。自身も外相・防衛相として力を発揮してきた「保守のプリンス」。陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」計画停止以降、評価・人気ともに急上昇。 ▼稲田朋美幹事長代行(61歳) 細田派 福井1区 当選回数5 女性初の防衛相。安倍首相の「秘蔵っ子」と呼ばれていたが、最近は、選択的夫婦別姓や寡婦(夫)控除に理解を示すなど、「タカ派」のイメージを抑制。一方で従来の保守層からは批判もあり、女性初の総理への道は険しい。 ▼下村博文選対委員長(66歳) 細田派 東京11区 当選回数8 元文科相。9歳で父を交通事故で亡くし、奨学金を得て大学を卒業。政治家となってからは一貫して教育問題に取り組んできた文教族。文科省が主導した民間の英語試験導入を巡っては、ベネッセとの癒着疑惑が報じられた。 ▼茂木敏充外相(64歳) 竹下派 栃木5区 当選回数9 経産相、経済再生相などを歴任。丸紅、読売新聞、マッキンゼーを経て、ハーバード大学へ留学。アベノミクスを支えてきた経済通。人気の高い河野太郎氏の後を継いだ外相もそつなくこなすが、人気はいまひとつ。

「安倍辞任」を抜いた記者の“後継”にも注目集まる!?

 電撃辞任情報を最も早く入手したとされているのは、「母・洋子さんにも気に入られ、『最も安倍首相に近い』と言われるNHKの岩田明子解説委員」(全国紙政治部記者)。そのため“ポスト岩田明子”も話題に。最有力候補は週刊SPA!でもお馴染みの柿崎明二・共同通信論説委員。「横浜市議時代から取材し続けてきた、最も菅氏をよく知る記者」だ。 <取材・文/週刊SPA!編集部 写真/産経新聞社 時事通信社> ※週刊SPA!9月1日発売号より
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週刊SPA!9/8・15合併号(9/1発売)

表紙の人/ 今田美桜

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