「一括で広告代理店に支払っている」と、詳細な内訳は出ず
【東京都・広告費第二弾の内訳】
●テレビCM(電波料)(2020.5.7~9.30)
株式会社博報堂 約1億3700万円
株式会社電通 約9400万円
●Web広告費(2020.5.15~9.2)
株式会社読売広告社 約6400万円
株式会社アドフロンテ 約700万円
●動画制作費(8本・フワちゃん動画を含む)
株式会社I&S BBDO 約1800万円(1本あたり約225万円×8本)
合計
3億2000万円
東京都の担当部局からの説明は、以下のようなものでした。
「
フワちゃん動画の作成経緯は、委託事業者からの提案を受け、政策企画局において出演を決定しております。広告費のうち、テレビCM(電波料)は生活文化局Web広告費、動画制作費は政策企画局が担当しております」(産業労働局)
「フワちゃんの動画については、動画8本の制作費として約1800万円で契約しています」(政策企画局)
つまり、
「一括で広告代理店に支払っているので、個別の費用については出せません」という回答だったのです。
3.2億円の広告費では足りず、さらに追加で1.5億円!?
この広告費の内訳を担当部局に確認したのは8月17日のこと。当時、筆者のTwitterは小池知事の「不要不急」の巨額CMや広告費について問題視するツイートで盛り上がっていました。
知事CM広告費のバラマキを疑問に思う都民の熱意が伝わったのか、あるいは調査着手した筆者の不審な(笑)動きを察したのでしょうか。8月19日、東京都財務局から「広告に係る予備費」というタイトルで、ザックリとした広告費を書いたメールが突如送られてきたのです。
筆者はてっきりこちらが「特別な夏休み」の広告費かと思っていたのですが……
上記の3.2億円とは別枠で、さらに1.5億円が追加されていたのです。つまり、オリパラ延期決定の3月23日まで政局を「忖度」して、都民の命と健康を後回にし、遅きに失した小池知事のコロナ対策を補うための巨額支出。
知事選目前・緊急事態宣言中に始まった広告費6.4億円に端を発し、今回の「特別な夏休み」に関する総額4.7億円を合わせると、総額は10億円以上にのぼります。
東京都から筆者に送られてきた、追加の「広告予備費」。細かな内訳はまったくない
小池知事は午前と午後にぶら下がりで記者会見を行うのですから、そこで感染拡大防止の呼びかけをすればメディアが報じてくれて、それに広告費は不要です。
コロナ禍に苦しむ都民のことを考えれば、医療や検査や補償など、ほかに税金を使わなければならない分野がたくさんあります。それなのに、感染防止に効果があるのかどうか怪しい広告に1.5億円も追加投入するというのは理解できません。
この1.5億円の内訳については
「予備費については事業者が確定していないため、現時点で内訳は確定しておりません」(政策企画局)と、これまたザックリした回答しか得ていないので、今後つまびらかにして都民に報告するつもりです。