国民民主党代表・玉木雄一郎氏のやってることが極めて「ブラック企業的」だと言えるワケ

誰ひとりハッピーにならない手数の多いだけの分党方式

 いやもう言い切りましょう。  誰ひとりハッピーにならない手数の多いだけの分党方式なる珍妙なスキームを口走り、それが手続き的に煩雑なことを知りながら(玉木さんは先日、筆者との電話会話のなかで、ご自分で「手続きが大変だ」という認識を示しておられました)、いまだにその方式にこだわる玉木さんそして、そんな玉木さんのその姿勢を応援するような変態紳士淑女の各位のマインドは、もう完全に、ブラック企業経営者のそれと同じです。玉木さんや彼の分党方式を誉めそやす人々の目には、政党本部や地方支部でこれからデスマーチに突入し悪戦苦闘することになる職員の姿など、入っていないのでしょう。  玉木さんや玉木新党が、どのような「政治的主張」をされるかには興味もありません。どんな主張をするのも自由ですよ。そりゃ、私もストレートとはいいながらも、変態的なところはありますから、「消費税増税を唱える野田首相の腰巾着になり、当時の民主党政権内で、消費税増税反対を訴えた人々を、粛正しまくった、岸本さん見たいな人が、玉木新党に行くといっている。よくそれで、玉木さん、消費税減税とかいえるよね」とか変態チックな観察をしたくなるときもありますが、それはまた別の話。  どの政治勢力が、どんな政治的主張をしようとも、勝手です。その政治的主張そのものを云々しようとは思いません。なんだっていいですよ、主張は。好きなことを好きなようにご主張されればよろしい。憲法改正であろうが核武装であろうがなんであろうが、主張する権利はある。玉木さんが、「コップに入った金魚飲んで、右の鼻から出します」とか「左の耳から水仙の花咲かせます」とか公約するのも自由ですよ。完全に自由だし、興味もない。  ただね。小なりといえども、玉木さんはこれから新党作ってそこの党首になるっていうんでしょ?小なりといえども、衆議院議員でありかつまた公党の党首だというのなら、それは自動的に、内閣総理大臣候補じゃないですか。  内閣総理大臣候補となる人間が、自党の名前を投票用紙書いてくれた人がいるからこそ獲得しえた議席を忘れるとか、自党の職員がこれから手続き地獄にハマりそうなのを知っているのにそこにさらに負荷をかけるとか、「まんま、ブラック企業経営者」なアティチュードを取り続けるのなら、もう、こういうしかないでしょう。 「玉木さん、あんた、最低だ。ブラック企業経営者そのものだ。あんた、党代表の器じゃないよ。」 と。 <文/菅野完>
すがのたもつ●本サイトの連載、「草の根保守の蠢動」をまとめた新書『日本会議の研究』(扶桑社新書)は第一回大宅壮一メモリアル日本ノンフィクション大賞読者賞に選ばれるなど世間を揺るがせた。メルマガ「菅野完リポート」や月刊誌「ゲゼルシャフト」(sugano.shop)も注目されている
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