ビットコインも年初来高値更新。それ以上の盛り上がりを見せる仮想通貨「DeFi系」の破壊力

 金(ゴールド)価格が急騰するなか、ビットコインも年初来高値を更新。だが、それ以上の盛り上がりを見せているのは「DeFi系」と呼ばれる新世代の仮想通貨だった!
マネ得

仮想通貨取引所のFTXがつくったDeFi系トークンのインデックス(指数)も右肩上がりに チャート素材/TradingView

1週間で1000倍に急騰!“第2のバブル”が始まっていた!?DeFi系仮想通貨の破壊力

 ニューヨーク金先物価格が2000ドルの大台を突破し、史上最高値を更新している。背景にあるのは未曽有の金融緩和だ。溢れたマネーは法定通貨への不信を生み、代替資産である金へと資金が流れた。  同様の動きは、「デジタルゴールド」でも起きている。ビットコインだ。8月には1万2000ドルに到達し、1年ぶりの高値を更新。久しぶりの急騰劇に、’17年以来の「バブル第2幕」を期待する声も高まっている。後押しするのが「DeFi」の盛り上がりだ。 「『Decentralized Finance』の名が示すように分散型の金融サービスの総称になります。管理者不在の取引所である分散型の仮想通貨取引所(DEX)や『ステーブルコイン』と呼ばれる米ドルなどと価値を連動させた仮想通貨、仮想通貨を貸して金利収入を得るレンディングの3つがDeFi系サービスの代表格です」  と解説するのは個人投資家の田中氏だ。こうしたサービスの事業体が独自のトークンを発行。その多くがビットコインに次ぐイーサリアム(ETH)をベースにつくられているため、取引の活発化からETHの価格は1か月で約2倍に急騰しているのだとか。だが、さらなる爆騰トークンもある。

1か月で380倍まで爆上げトークンも

「鼻の利く投資家たちが熱を上げているのがDeFiを利用した『イールドファーミング』。直訳すると”利回り農業”。仮想通貨を貸し出すことで市場に流動性を提供し、金利などの収入を得ることです。でも今、それ以上のリターンをもたらしているのはDeFi系サービス事業体が無料配布した”投票券的なトークン”。レンディングなら仮想通貨の貸し手、借り手に対して配布され、その投票券を利用して新たなサービスの導入などを提案できるので、『ガバナンストークン』と呼ばれています。それ自体、リターンをもたらすものではないのに、取引所での売買が可能になると軒並み急騰するんです。YFIというガバナンストークンは取引所に上場後、1か月で380倍にまで爆上げしています」
マネ得

今年6月以降、イーサリアムをベースにしたDeFiトークンが数多く発行されるようになり、ETHが急騰。DeFi系サービスに流れるお金はこの1年で10倍に膨れ上がったことがわかる

 こう話す田中氏自身、イールドファーミングを実践。6万ドル分のETHを1週間預けて、1.5枚のYFIを受け取ったという。そのYFIの直近価格は約130万円だから……濡れ手で粟! ある著名投資家は「発行価格は3ドルだった」と言及しており、1週間ほどで1000倍超に値上がりした“夢のトークン”としてYFIは話題をさらったのだ。
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DeFiサービスの主な分類とは?
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