著書にサインして赤木雅子さんに贈る原監督
「すっごい改めて反省したんですよ。自分が逃げ腰になっとった。ちょっと逃げてた。もうやめたくなってた。きょう覚悟が決まりました。覚悟ができてよかった」
雅子さんは、最後にこう告げた。
「夫もきっと一緒に観ていたと思います。ありがとうございました」
赤木さんと私が別れた阪急十三駅前
さらに、映画館を出て最寄りの阪急十三駅に向かう道すがら、雅子さんは改めてこう言った。
「きょうは本当に来てよかった。もう大丈夫です」
笑顔でホームに向かう姿を見送りながら、私は思った。「私は真実が知りたい」という赤木雅子さんの闘いは、これまでもこれからも、山あり谷ありが続くだろう。でも、雅子さんはもう決して後戻りは、退却はしないだろう。だって、これは夫の死の真実を追及する、新たなる「神軍平等兵」の闘いなのだから。
翌朝、雅子さんからLINEが届いた。
「昨日は私にとって『覚醒記念日』になりました」
この言葉がすべてを物語っている。
筆者と原監督
<文・写真/相澤冬樹>