10代女性の妊娠相談数が前年比で1.8倍に増加。「コロナによる休校で性行為を体験する頻度が増えた」
女性向け健康情報サービス・ルナルナは8月18日、コロナ禍で増加した若年層の妊娠相談を受け、相談者数の変化や避妊についての意識調査の結果を発表した。
リリースには、思いがけない妊娠に悩む人のための相談支援窓口「にんしんSOS東京」の調査結果を掲載。
同窓口が休校措置期間とほぼ重なる今年3月1日から5月31日までの3ヶ月間の新規相談者数を集計したところ、358人と前年同時期と比べて約1.2倍増加した。年代別では「10代」の相談者数が約1.8倍に増えていた。
昨年と今年とでは、相談者の年齢構成に変化が見られた。昨年は「20歳代」(39%)が最も多く、「18~20歳未満」(18%)、「15~18歳未満」(19%)、「15歳未満」(1%)の順となっていた。
しかし今年は、「18~20歳未満」(31%)と「15~18歳未満」(28%)が「20歳代」(25%)を上回った。10代の予期せぬ妊娠の深刻度がうかがえる。
「にんしんSOS東京」には妊娠がわかった10代、20代の相談者から「親に相談ができない」「お金がなくて受診ができない」「中絶も出産も怖くてできない」といった不安が寄せられているという。
同団体を運営するNPO法人ピッコラーレの副代表・土屋麻由美さんは、「若年層の相談者数の増加がコロナの影響かどうかは、もう少し統計をとってみないことには、はっきりと分からない」としつつも、「休校によってお家デートが増え、性行為を体験する頻度が高まったことは、相談からもうかがえます」と現状を見ている。
こうした結果をふまえて「にんしん東京SOS」は、10代の避妊方法について調査を実施。2019年、2020年ともに4月1日~30日の間、10代の女性に対して「避妊方法」について聞いた。
「コンドームを挿入前から装着」は、2019年では48%だったのに対し、2020年には32%にまで低下。「低用量ピルを服用」は、3%から0%となった。
反対に「避妊していない」は16%から23%に上昇。「膣外射精」も10%から13%に上がっており、避妊への意識が低い状態で性行為に及んでいる様子がうかがえる。
「家でのデートが増え、その場の雰囲気に流されて膣外射精でしてしまった」と話す相談者もいた。
同窓口には「コンドームをつけたから妊娠はしないはず」、「1回性行為をしただけでは妊娠はしないですよね?」「排卵予定日からはずれているから、避妊はしなかった。妊娠することはありますか?」といった声が届けられているという。
コンドームを適切に使用したとしても、避妊に失敗する可能性が2%ほどあると言われている。挿入前に装着しても、確実に避妊できるわけではない。10代のうちから正しい性知識の学習は待ったなしの状況にある。
年齢別では、「18~20歳未満」からの妊娠相談が最多
その場の雰囲気に流されて、膣外射精をしてしまった
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