「コロナ・禁煙化・旧基準機撤去・バッシング」で苦境のパチンコ業界。「加熱式タバコ」がもたらす一条の光明

紙巻きタバコ

photo by BlueBeans / PIXTA(ピクスタ)

四面楚歌の状態となっているパチンコ業界

 2020年4月1日からの改正健康増進法の全面施行により、パチンコ店も類に漏れず原則禁煙となった。  成人喫煙率が30%を下回っている日本社会の現状であるが、ことパチンコ店に限っては客の喫煙率は60%を超えると言われている。パチンコ店の禁煙化は、ギャンブル等依存症対策の流れを汲む遊技機規則等の改正による旧規則機(≒高射幸性遊技機)の撤去も相まって、業界全体に深刻なダメージをもたらすことは必至であった。そのため、そもそも2020年はパチンコ業界にとって生と死の分水嶺の年だったのだ。  ましてコロナである。  新型コロナウイルス感染症の感染拡大による政府の緊急事態宣言を受けた協力休業や客足の激減は、パチンコ店の営業に甚大な影響を及ぼした。緊急事態宣言が解除された直後は徐々に客足も戻りつつあったが、第二波とも呼ばれる感染の再拡大は再び客を遠ざけた。  旧規則機の撤去。パチンコ店の禁煙化。そしてコロナ。パチンコ店を取り巻く三重苦。一部パチンコ店が自治体の休業要請に従わず営業を強行したことによる社会的バッシングまで含めれば、絶体絶命の四面楚歌な状況と言っても過言ではないだろう。 しかしどのようなビジネスであろうとも、逆境の中にも希望の光があるもので、改正健康増進法による禁煙化が、逆にパチンコ店に客足を戻す切っ掛けになりつつある。  キーワードは「加熱式タバコ」だ。

加熱式タバコ喫煙エリアの設置で変化する客足

 加熱式タバコとは、従来の紙巻タバコのようにタバコの葉を燃やすものではなく、iQOSやglo、Ploom TECHのように加熱させながら吸うタバコのこと。改正健康増進法では「指定たばこ」と呼ばれ、この指定タバコは、改正健康増進法においても一定の条件をクリアすれば屋内でも喫煙できるとされている。  4月1日の時点では日本全国のパチンコ店が一気に禁煙化に舵を切った。紙巻タバコであれ、加熱式タバコであれ、喫煙は店内に設置された喫煙所でのみ許されていた。しかし一部パチンコ店が、少しでも客足を取り戻すため、改正健康増進法が許容する加熱式タバコ喫煙エリア設置に踏み切ると、都心部を中心に客が来店するようになる。喫煙を好むパチンコ店の客らが、加熱式タバコを吸えるパチンコ店に集まりだしたのだ。特にお店を固定せず流動性が高いと言われている若年層ユーザーの動きが顕著で、加熱式タバコを吸えるお店とそうでないお店とでは、明らかに客層に変化が見え始めた。  加熱式タバコが吸えるパチンコ店をデータベース化している、「たばこの吸えるパチンコ店検索サイト『パチモク』」では、2020年8月10日現在、日本全国に300軒を超えるパチンコ店が紹介されており、日々新規店舗が追加されている状況だ。  先月から加熱式タバコ喫煙エリアを設置した都内のパチンコ店の店長によれば、完全禁煙化になっている近隣のパチンコ店に比べ、緊急事態宣言以降の客足の戻りが良いとのこと。特に、加熱式タバコ喫煙エリアの設置前の設置後では、若年層の客が比較的多いパチスロエリアの動きが顕著だという。
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「喫煙者」の受け入れ場所となるパチンコ店
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