高級食材のフカヒレの材料となるため乱獲が問題視されているガラパゴス諸島近海のシュモクザメ
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260隻余りの中国漁船団がエクアドルから1000キロ離れた太平洋のガラパゴス諸島の近海で1週間以上漁を続けている。
彼らの強かさは漁をしている位置だ。13の大きな島があたかも左右に分かれたようになっている右の諸島と左の諸島がそれぞれが排他的経済水域を形成しているが、その中間にあって
排他的経済水域外の公海の位置で漁をしているというわけだ。
排他的経済水域では漁が禁止されている魚の種類がある。ところが中国漁船はこの水域から一旦公海に移動したところでこの禁止されている種類の魚を漁獲しているということになる。漁は底引き網漁なので、海洋生態系がすべてをかたっぱしから捕獲されてしまいかねないとして問題になっている。(参照:「
El Mundo」)
2017年8月に同じくガラパゴス諸島沖合で297隻の中国漁船団が漁をしていた際に排他的経済水域内で漁をしていたとしてエクアドル当局が拿捕して調べたところ300トンに及ぶ魚を捕獲していた。その中には捕獲が禁止されているサメなども検出されたという。
その後も中国漁船団が2019年4月には60隻、7月には170隻が同近海に現れたが、最終的にエクアドル当局がその水域から離れるようにさせた。ところが、彼らは毎年止むことなく戻って来る。それが今回の260隻にも及ぶ魚船団だ。エクアドル当局は彼らの監視を続けているが、現在まで禁止水域への侵入はなく拿捕もできない状態にある。
しかし、彼らは禁止水域から出て漁が禁止されている魚が公海に移動した際に捕獲するという手段を用いているようで、オオアカイカやポタと呼ばれているイカの一種を捕獲するのも狙いだ。これらはシュモクザメの餌になっているがそれが中国漁船団によって大量に捕獲されるようになると、結局この諸島の水域の生物学的多様性というものを破壊することになる。