<明石ガクト✕手塚マキ>動画業界と飲食業界…コロナ禍はこの2業界をどう直撃したのか?

 感染者数の最多人数が連日のように更新されるなど、新型コロナの猛威が止まらない。日本経済が急速に冷え込むなかで、各産業はどのような打撃を受けているのか。  動画ビジネスを牽引するワンメディアCEOの明石ガクト氏と、ホストクラブを中心に飲食事業を展開する手塚マキ氏。フィールドの違いはあれど、新型コロナで損害を受けた2人の経営者がクロストークを展開した。 経営者対談

密な空間で作らざるを得ない動画は「止める」しかなかった

 新型コロナ禍で需要が高まった感もある動画業界と、最もダメージを受けた飲食業界。なかでもホストは感染拡大の温床として世間から非難を受けた業種でもある。特徴的な2つの分野で先頭を走る2人が体感した新型コロナの影響とは。 ――新型コロナの影響が出始めた頃を改めて振り返ってください。 明石:僕らの世界でいうと、テレワーク化により在宅時間が長くなったことで動画のニーズが増えたといわれがちですが、スタジオというすごく密な空間で撮影して、スタッフもやたら多いんで、基本は“止める”しかないんです。企業も積極的にPRする機運じゃなかったんで、2月頃から決まっていた案件がポツポツとなくなって、気がついたら累積ウン億円の仕事が飛んでて……。ある日、起きたらあまりに歯が痛くて歯医者に行くと「奥歯にヒビが入ってます」と言われましたね。ストレスで、歯を嚙みすぎたんです(笑)。 手塚:それは「準備していたものが全部無駄になって悔しい」という思いなのか「こんなに会社が赤字になってどうしよう」っていう思いなのか、どっちなんですか? 明石:両方ですね。会社的にも、ちょうど資金調達をしたばかりだったんですよ。なまじ現金があったがゆえに、この危機に俊敏に対応できなかった。それに、『動画2.0』って本も書いて「これからは映像じゃなくて動画」と言ってきたのに、このタイミングで世間から「動画ってたいして必要ないよね」って言われた気がして。 手塚:大きいのはお金よりもそっちの打撃だったんですね。このコロナ禍って、これまでの日常生活の中で起きていることが顕在化しただけの気がするんですよ明石:正直その通りだと思います。今はどこも動画に力を入れていて、その上昇気流に乗って浮ついていたところがあったんだと思います。だから、本質的に自分たちが売ってるものが何なのかみたいなことを考え直すきっかけになったんです。そこで行き着いたのが、俺らは「物語」を売ってるんだなと。 ――ワンメディアのリリースでもその覚悟を語っていましたね。 明石:はい。物語があって人は共感して物を買ったりサービスを買ったりするわけで、僕らはそこの手伝いをしているんだってことを、今回改めて考え直したんです。 手塚:「広告事業をしている」ではなく、「誰かに必要とされるものをつくる仕事」だと気づいて、一歩前に進めたんですね。 明石:そうです。っていうか、手塚さん、めっちゃ話聞き出すのうまいっすね。これがプロか(笑)。

ホストが無駄だなんて自分らが一番知っている

――手塚さんはどのような影響を受けたのでしょうか? 手塚:もちろん売り上げはひどいことになりましたよ。ただ、ガクトさんのように、仕事に対するアイデンティティの崩壊みたいなことはなかったです。世間から「必要ない」と言われることには慣れていますし。平時だって、水商売をしていると言えば色眼鏡で見られるのが当たり前でした。でも、僕らは「人には日常から逸脱した時間がときには必要だ」と思っているからずっとやってきたわけで。 ――ほかの歌舞伎町の経営者たちの状況はどうなのでしょうか? 手塚:たくましいですね、歌舞伎町の経営者たちは。今回はさすがに連帯感が生まれてほかの経営者と話す機会が増えたんですが、みんなカネ勘定がめっちゃ早い。3月の段階で、どういうふうに1年後まで持たせるのかという計画を立てていたり、経費削減には同業者と手を組んでビルオーナーや広告媒体に直訴したりしていました。
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自分たちのビジネスの原理・原則から逃げちゃダメ
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