市場拡大[ノンアル]は誰が飲んでいるのか? 元依存症漫画家・まんきつ氏も専門バーを満喫 

市場拡大[ノンアル]は誰が飲んでいるのか?

東京・日本橋「LOW-NON-BAR」。ノンアルコールのスピリッツやワインのボトルが並ぶ

「飲まないのが、かっこよくてオシャレ」。ニューノーマル時代は「ノンアルコール」がトレンドに!? 都内には専門バーも続々登場。市場を拡大し続けるノンアルコール飲料はどういった層に人気があるのか? ノンアル市場の実態に迫る!

話題のノンアル専門バーにまんきつ氏が潜入、一人飲み!

 近年「アルコールを飲まない人」が急増しているようだ。’09年、日本初となるアルコール度数0.00%「キリン フリー」の登場以来、ここ10年でノンアルコールビールのシェアは約4倍に拡大。現在はカクテルやワイン、日本酒、ハイボールなど、多彩なノンアルコール(以下、ノンアル)飲料が販売されている。さらに今年7月には、東京・六本木に“完全”ノンアル専門バーがオープン。連日予約客でいっぱいだ。いったいその背景には何があるのか。自らのアルコール依存症体験を赤裸々につづった『アル中ワンダーランド』(扶桑社刊)の著者・まんきつ氏が低アル&ノンアルバーに潜入。その実態を探った――。  訪れたのは、今年3月に東京・日本橋にオープンした「LOW-NON-BAR」。ほの暗い照明の店内、カウンターではバーテンダーがシェイカーを振り、カクテルグラスにドリンクを注ぐ。依存症時代はいつも「こ汚い居酒屋に通っていた」というまんきつ氏に店の第一印象を尋ねると「雰囲気は普通にお酒を出すオーセンティックバーそのもの。オシャレすぎて気が引ける」と、驚いた表情を見せた。  1杯目は、同店のコンセプトカクテル「LOW-NON-BAR」をオーダー。ビネガードリンク「シュラブ」をベースに数種のベリーを組み合わせたノンアルカクテル(モクテル)が、小鳥を模したグラスに注がれてテーブルに置かれる。「モクテルとは、“似せた”という意味の“mock”と “cocktail”を組み合わせたノンアルカクテルの新しい呼び方。アルコールの代わりに、香りや五味で補い、お酒でもジュースでもないテイストに仕上げるのがモクテルの大きな特徴。普段飲み慣れないビネガードリンクの酢酸の刺激は、喉に感じやすい」  そう話すのは店長の高橋弘晃氏。同店では、大体1400円でノンアル、低アルともに10種類ほどのラインナップが楽しめるが、主な利用客はやはり飲めない層のようだ。
市場拡大[ノンアル]は誰が飲んでいるのか?

同店一押しのモクテル

「飲める人と飲めない人が同じ空間で楽しめる」

「『お酒を飲めない人は入店お断り』という古い考えのバーもいまだ存在しているのが現状。それに対し『バーの雰囲気を味わってみたい』というお客さまは多い。カウンターで読書しながらカフェのように利用する女性のお一人客、ドクターストップや過去にお酒で失敗した方など、さまざまな事情で飲めないお客さまがいらっしゃいます」  グラスが空き、まんきつ氏は2杯目をオーダー。「普段知っているノンアルワインは、ジュースみたいで。元アルコール依存症者としては、しっかりとワインの味を感じられるものが欲しい」とリクエストすると、高橋氏は一本のボトルを手にして次のように語った。 「ノンアルワインはタイプが何種類かありますが、『CARL JUNG(カール ユング)』は一度ワインとして製造し、風味を壊さずにアルコール成分だけを抜いた“脱・アルコールワイン”。まんきつさんが今まで飲んでいたのはぶどうジュースですね」  夜9時を過ぎたころから徐々に人が増え、店内はにぎわいを見せ始めた。まんきつ氏が、カウンターの隣に座る常連客だという30代のサラリーマン風の男性に声をかけた。 「お酒を出す系列のバーが2階にあり、2、3年前からよく一人で来ています。最近はリモートワークで、翌日に引きずると支障が出るためノンアルを飲みます。お願いすればアルコールも頼めるので、その日の気分で」  仕事の息抜きに週一ペースで訪れるという男性は「サラリーマンの一人客も多く、利用しやすい。マスターとのおしゃべりを楽しみに来ています」と笑顔で語った。  テーブル席には「体質的に飲めない」男性と「付き合いで飲む程度」の女性のカップル。「喫茶店を探していたら、“ノンアルコール”と書いてあったので」と言う二人は、それぞれノンアルと低アルをオーダー。「飲める人と飲めない人が同じ空間で楽しめる」と満足そうだった。 「これこそ赤ワイン! 買って帰りたいですね」。ノンアルワインをすっかり気に入ったまんきつ氏。 「プライベートでは、お買い物帰りにフラッと立ち寄のもいい。一人で来てバーテンダーさんとしゃべって、サッとサウナに入って帰る感じで利用したいですね」  翌日にアルコールを残したくない、同じ時間と場所を共有したい、雰囲気を味わいたい――。今後はさまざまな理由で、ノンアルを選択する人々が増えていきそうだ。
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ノンアルコール市場が日本の経済を救う?
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アル中ワンダーランド

アルコール依存症ゆえの大暴走の日々を綴ったノンフィクション漫画が文庫化

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