大手アパレル「レナウン」再建に黄信号―― 「突然の閉店」相次ぐ実店舗、ブランドごとに切り売りも?

内部でも把握できない現状――店舗は「本部から連絡がない」

 果たしてレナウンの店舗は今後どうなってしまうのか――というより「筆者が時々買い物をしていた店舗はどうなってしまうのか」が気になったこともあり、レナウンに電話で問い合わせてみたところ、予想外の答えが返ってきた。  電話に応じてくれたレナウンの担当者は「7月後半以降の大量閉店については把握していない」「本社では分からない」というのだ。驚いて近くのレナウン系列店舗に行ってみると、営業はしていたものの、もう8月でありながら店内には夏服しか陳列されていない。店員氏によると「うちの店は秋モノが入るかどうかも分からず困っている」といい、それどころか「経営破綻以降、最近は本部からあまり連絡がない」ため、いつまで営業できるか、というよりこのまま営業を続けていいのかさえも良く分からない状態であるという。日本を代表する大手アパレルブランドがここまでの事態に陥ることが想像できただろうか。

窮地のレナウン、ブランドごとに切り売りで消滅する可能性も

 それでは今後、レナウンはどうなってしまうのであろうか。  同社は、当初は殆どの店舗の営業を継続し、在庫商品を販売しつつ新たなスポンサーを探すとしており、6月には当面の運転資金として三井住友銀行から最大20億円を借り入れる契約を結んだ。今後、8月中に再建計画を提出する予定であるとしている。  しかし、再建スポンサーの選定が難航するなかで実店舗が大幅に減り、また新たな商品の追加供給もできない状態であるならば、「レナウン」という本体を捨て、在庫の整理をおこなったのち「ダーバン」や「アーノルドパーマー」など、人気がある有力ブランドごとに切り売りされる可能性も高いのではないだろうか。
シンプルライフ

永年親しまれたレナウンのカジュアルブランド「シンプルライフ」。
今後も残ることができるのであろうか。

 もし愛用のブランド自体が存続するとなれば安心する人も多いであろうが、新型コロナ禍のなかでは店舗網の大幅減少は避けられないものとなる。  そして、明治から令和までの歴史を紡いできた「レナウン」本体は、118年の歴史に完全に幕を下ろす可能性も高いであろう。 <取材・文・撮影/若杉優貴(都市商業研究所)>
若手研究者で作る「商業」と「まちづくり」の研究団体『都市商業研究所』。Webサイト「都商研ニュース」では、研究員の独自取材や各社のプレスリリースなどを基に、商業とまちづくりに興味がある人に対して「都市」と「商業」の動きを分かりやすく解説している。Twitterアカウントは「@toshouken
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