崩落だらけの大井川最上流のリニア工事現場。「建設工事」どころか「復旧工事」の有様

昨年の復旧工事が、今年7月の豪雨で無駄になってしまった!?

取り残された重機は赤さびていた

取り残された重機は赤さびていた

 仮にリニアが開業されたなら、ここは南アルプストンネル内でトラブルが起きたときの避難場所となる。昨年の台風19号では二軒小屋から下流の林道も3か所で崩落している。標高差もあるので、トンネル出口まで1時間かかったとして、ここに出てきたとしても現場が現在のような状況では、1000人近くの乗客は途方に暮れるだろう。  この先にはダムがあり、かつては林道が伸びていた。今は、ガードレールがわずかに残るだけで跡形もない。豪雨災害による地形の改変は、この地域では日常のことなのだ。工事予定地の奥には、掘削を待つばかりだった重機がそのまま取り残され、キャタピラが赤さびていた。  知事の訪問の2日後の13日、国土交通省の水嶋智鉄道局長も現地を視察。記者会見で「観念的、抽象的な言葉のやりとりに陥ることないように」と、両者が議論を進めるよう注文した。
コンクリートも押し流す

増水した水流の力は強く、コンクリートも押し流す

 その後に起きたのが今年7月の豪雨災害だ。川勝知事は7月21日に再び現地に至る林道を視察。被災状況を確認し、中断している工事の再開について「机上の空論だ」と主張した。昨年の災害の復旧工事は、半年後の災害で無駄に終わってしまったのだ。  川勝知事の一連の発言は、現地を見た人間の目から見て控えめだった。「2027年の開業は難しい」(JR東海)どころか、どれだけ期間が延びてどれだけ費用がかさむのかは測り知れない、難工事だらけのリニア中央新幹線。作業員や工事の安全を考えるべきなのは、本来なら静岡県知事ではなく、工事を進める国やJR東海のほうだ。 <文・写真/宗像充>
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