就職活動で、バイト先で、SNSで……日常で性差別を受ける女子学生たちの声
ガールスカウト日本連盟が、18歳から25歳の女性を対象に実施した「女子大学生×ジェンダー調査報告書2020」を発表した。男女平等や多様化が求められる時代だが、女性がリアルに感じている性差別の実態は残酷だった。
「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方について問うと、「反対」が86%となった。内閣府が行った18歳以上の全世代を対象とした「男女共同参画社会に関する世論調査」での同じ設問では「反対」と答えた女性は63.4%にとどまるため、より若い世代ほど、女性も社会進出すべきと考えていることが分かった。
必須ではなかった自由記述にも6割以上の人が回答しており、反対意見の中には「家庭の在り方や働き方はその人ごとに決められるべきであって、性別は関係ない」「働きたい方が働くべきだと思うし、どちらも働きたければ協力して分業し、家庭を守るべきだと思う」など、性別による役割分担に疑問を感じるような意見が多かった。
しかし、実際に就職するとき、女性であることでなにか障害になることがあるかを問うと、72%が「あると思う」と回答。
就活前の学生たちからは「転勤のある女性の方が結婚しにくいので、会社を選ぶときに素直になれないときがある」、「就職をして長く働きたいと思っているが、結婚して子どもを産みたいとも思っているので、産休を取ったら仕事にブランクが出来てしまうと考えている」など、結婚や出産によるキャリアの中断を心配する意見が多数寄せられた。
また、就活を経験した人の中には「男の人が多い業界で、1人欠けると困る職種なため、女性を取ることで結婚出産で辞めないかどうかを懸念している様子が伝わってきた」など、実際に不利益を感じている人もいた。
「出産後の仕事についてどのように考えますか」と問うと、78%が「仕事をしたい」と回答している。しかし、就活のタイミングでは「出産後も同じように働かせてもらえる職がなかなかない」、「妊娠や子育てなどでキャリアを妥協しなければならなくなるかもしれない」など、出産・子育てをする選択と仕事を続ける選択、どちらかだけしか取れないのではないかと不安を抱える意見も散見された。
仕事と出産に関する質問からは、性別に関わらず長く働いていきたいと考える女性が多いことに反して、女性であるというだけで働きにくい環境を不安に思う気持ちが伺えた。
「性別役割分業には反対」が86%に上る
仕事と出産・子育ての両立に不安
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