常勤医が「気に入らないなら日本から出ていけ」。牛久入管でいまだ横行する被収容者イジメ

「ハンスト」と決めつけて横行する被収容者イジメ

無抵抗のアンドレさん

無抵抗のアンドレさんの顔に体重をかけ続ける入管職員

 新型コロナウイルスの脅威には入管もかなわず、2020年4月から被収容者の仮放免が多く出るようになった。茨城県の東日本入管センター(牛久入管)には3月31日の時点で224人の被収容者がいたが、東京入管から移送される人を合わせても現在は100人以下となっている。  たくさんの人が自由の身となるのはとても喜ばしいことだ。しかしそれでもまだ、解放されないままの人々がいる。なぜなのか、長期収容されている人に限って解放されない。その基準がはっきりしないので、残された被収容者たちは困り果てている。  そして最も困ったことには、彼らが入管職員や常勤医の陰湿なイジメに苦しめられているという現実がある。  長期収容のストレスで体を壊し、ほとんどの人が拒食症状態。食事をしても吐いてしまう。そのせいで歩けず、車いすを使っている人が何人かいる。一時期、多くの被収容者がハンストをやっていて、それがメディアに流れ社会的に問題になったせいか、職員や常勤医は食事をとらないと「ハンストじゃないのか?」と執拗に疑ってかかり、責め立ててくる。  しかしハンストなら、抗議する相手に伝わらないと意味がない。本人たちが「そうじゃない」と言っているのに、どうしてハンストだと決めつけたいのだろうか。

カメラで監視、トイレのドアもテレビもない「休養室」

 日系ブラジル人のアンドレ・くすのきさんもその一人。彼も食事ができず、食べては吐くことの繰り返しだった。そのためやせ細ってしまい、車いすがないと移動ができない。常勤医は日々「ハンストだろう」と責め立ててくる。  食事をとらないことを理由に、アンドレさんは「休養室」に連れて行かれた。 「休養室」とは名ばかりで、天井からは監視カメラがぶら下がっている、トイレは洋式だがドアはなく、パーテーションのみ。テレビもないが、アンテナのジャックはあるのでテレビを設置してもらえるようにお願いしたが拒否されたという。  食事はできなくても、ポカリスエットだけは何とか飲んでいた。しかしそれも禁止され、「弁当を食べるように」と無理強いされた。支援者が差し入れしてくれた食べ物は「入管の弁当が食べられないのなら渡さない」と、受け取らせてもらえなかった。  シャワーは浴びさせてもらえず、ウエットティッシュだけを渡された。頭がかゆくて耐えられなかった。20日目でやっとシャワーを使用することが許された。
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東京入管からの移送時に職員が罵倒・暴行!?
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