感染拡大防止策なしに観光業の危機は終わらず。再び感染者増のスペイン・カタルーニャ、ホテル稼働率10%以下の現実

Wバルセロナ

バルセロナの五つ星ホテル、「Wバルセロナ」もどことなく寂しげ……
Whistofino via Pixabay

再び封鎖に踏み切ったカタルーニャ州政府

 6月21日にスペインは3か月間続いた封鎖を解除した。ところが、新規に感染が拡大している。全国で局地的にではあるが500か所以上で新規感染が顕著になっている。  その中でもカタルーニャでは7月17日だけで938人の感染が確認された。  先月の封鎖解除以後、感染に取り組む為の管理はスペイン政府保健省から各自治州に委ねられている。そこでカタルーニャ州政府は7つの自治体に封鎖の実施を発令した。これで2度目の封鎖だ。該当する自治体の多くの住民は憤りを感じているという。また、この影響で観光業者の間では今年の立ち直りは完全に道を断たれたと考えるようになっているという。

封鎖解除後も営業再開したホテルは1割しかなかった

 その中でもリェイダ県では人口14万人のリェイダ市を始め周辺の6つの自治体に対して封鎖が発令されている。リェイダ市の周辺にある小規模な自治体を含めたセグリアー地域ではパンデミックの最初の段階から3585人の感染が確認されていた。  同様に深刻なのはバルセロナ県のバルセロナ市に次ぐ2番目の人口26万人の都市オスピタル・デ・リョブレガッでも新規感染が拡大している。この都市もパンデミックの初期段階から3597人の感染が確認されていた。(参照:「OK DIARIO」)  このような事態からバルセロナでは封鎖が解除された6月以後も、およそ450軒ある同市内のホテルで営業を再開したのは僅かに10%で、しかもその客室稼働率も10%を超えることがないという。
次のページ 
稼働率が20%まで戻れば御の字
1
2
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会