考えすぎなダメ企業、ゆるふわな一流企業。実行力の差は会議の仕方にあった

 筆者は理論や理屈の解説をしない演習プログラムを実施している。解説の代わりに、ロープレをはじめとする演習をさまざま繰り返すのだ。演習と演習の合間も説明せずに、トレーナーと参加者との間の問答で進行する。それが連載タイトルにもなっている、身につけたいスキルをパーツ分解し、コアスキルを反復演習する「分解スキル反復演習」だ。

過剰な指示で能動性と瞬発力が低下

オフィスのイメージ

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 「それでは、どなたと組んでいただいても結構です。どちらが先に話すかは、話したい方から話していただければと思います。2人1組になって、自己紹介を1分交代で行いましょう」  例えば、このような演習を実施していると、すぐに相手を見つけようとする人と、誰かから声がかかるのを待つ人とにわかれる。相手が見つかると先に話しだす人もいれば、2人で沈黙してどちらが話すか様子見する状態になるペアもある。  多くの研修の場合、このような状態になるから、トレーナーが誰と誰が組むか、どちらが先に話すか決めて指示する必要がある……。そんな考え方がはびこっている。  しかし、私は決して、組む相手や話す順番を決めたり指図したりしない。参加者にもこれらのことをさせない。なぜならば、それをやってしまったら、行動や話法を繰り出す能動性と瞬発力が、ますます低下するからだ。  私が、なぜ組む相手や話す順番を決めたり指図したりしないで、組みたい相手と組む、話したい人から話すということを実施しているかと言えば、そうすることで、演習参加者の能動性は高まり、演習効果が上がるからだ。それだけではなく、これらのことを繰り返し行うことで、いつのまにか、行動したり話法を繰り出す瞬発力が高まるのだ。

洗い上げと掘り下げが時短のカギに

 ああでもない、こうでもないということを思いあぐねて、結局いつまでたっても行動発揮できない。PCを前にして、プランはとても精緻にしっかり立てるけれども、実行に移せない……。  このような状況が、あちこちで見られる。能動性と瞬発力が発揮されないから実行に移せない、実行に移せないから成果が出ないという繰り返しになってしまう。  対話や会議でも同じことだ。ああでもない、こうでもないと議論を繰り返して、いつまでたっても会議で合意形成できない。時間切れの会議が繰り返され、合意形成できず、頭のなかであれこれ考えているだけなので、実行に移されない。  こんなことを繰り返していたら、参加者は会議で発言しても無駄だと諦めの境地にいたり、会議で発言がされなくなり、誰も何も言わぬまま形式的に合意するだけという、「見せかけの合意」に陥ってしまう。見せかけなので、この状態でも実行に移されない。  ああでもない、こうでもないと議論が続いてしまうのは、無節操に意見が出されたら端から議論しようしてしまい、いつまでたっても収束しないからだ。ある方針を合意形成したいのであれば、その方針に対する異論や懸念を「洗い上げる」時間、洗い出された異論や懸念を最も深刻なものから順に並び替えるように「掘り下げる」時間をもてば、最も深刻なものから順に議論できる。異論や懸念を洗い上げて、掘り下げるだけで、相当程度、合意形成時間が短縮できるのだ。
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「とりあえず、やってみよう」が大事なワケ
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