自ら法廷に立ち、夫がいかに苦しんで亡くなったのかを証言
赤木俊夫さん(赤木雅子さん提供)
赤木雅子さんが自ら法廷に立つことを決めた。
森友学園への国有地売却をめぐる公文書の改ざんを上司にさせられて命を絶った、財務省近畿財務局の上席国有財産管理官、赤木俊夫さん(享年54歳)。
「改ざんを指示した」と俊夫さんに名指しされた佐川宣寿元財務省理財局長と国を相手に、赤木さんの妻・雅子さん(49歳)が起こした裁判が、いよいよ7月15日に始まる。
その日の第1回口頭弁論で、
赤木雅子さんは自ら法廷に立ち、意見陳述をすることを決めた。雅子さんは素顔を公開していないが、ついたてなどは立てず、法廷で意見を述べるつもりだ。
マスクはするものの顔の一部は傍聴席から見えることになる。法廷内はもともと撮影禁止だが、弁護団はスケッチについても顔を描かないよう報道各社に配慮を求める方針だ。
俊夫さん直筆の手記
意見陳述で雅子さんは、
夫の俊夫さんがいかに苦しんで亡くなっていったか、真相を知りたいという雅子さんの願いを国がいかに裏切ってきたかを証言する。
改ざんの再調査を求める電子署名に35万人を超える賛同が寄せられても
安倍首相や麻生財務大臣が「再調査しない」と切り捨てたことを指摘し、この裁判で佐川氏をはじめ財務省や近畿財務局の関係者を証人に呼んで真相解明を進めたいと訴える。
最後に裁判官に、
俊夫さんが自ら命を絶った原因と経緯が明らかになるように訴訟を進めてくださいとお願いするつもりだ。時間は約10分間を予定している。
再調査を求める声に賛同してくださった方々にお礼を言いたい
大阪地裁前に立つ赤木雅子さん
さらに法廷での弁論が終わった後、赤木雅子さんは弁護団とともに記者会見に臨むことを決めた。当初は会見に出るつもりはなかったが、7月2日に行われた弁護団会議で「記者会見に出ます」と決意を述べた。その理由について雅子さんは次のように話している。
「最初は会見に出るのが怖かったけれど、裁判が始まるこの機会に世の中の皆さんに自分の言葉で考えを訴えたいと思いました。それに、再調査の電子署名に賛同してくださった35万人を超える皆さまと、励ましのお手紙を寄せてくださった大勢の皆さまにも、自分の言葉でお礼をお伝えしたいと思ったからです」
注目の赤木雅子さんの裁判は、7月15日(水)午後2時から、大阪地裁で最も広い202号大法廷で行われる。傍聴希望者が多数訪れると見込まれるため、傍聴は事前の抽選になると予想される。