理想の知事像は、圧倒的多数が「悪いことをしない人」。当然と言えば当然なのですが、国会などでも取り沙汰されている「政治とカネ」の問題は彼らにも深刻に映っているようです。
――とにかく
真面目な人(男女問わず多数)。
――
住民に寄り添ってくれる人。国レベルでは持続化給付金の支給が遅れているというが、都のレベルではそういうことがないようにして欲しい(19歳・男子大学生)。
――
経済を活性化させてくれる人。自分はまだ若いが、日本は少子化に歯止めがかからず、将来が不安になることもある(18歳・男子高校生)。
コロナ対策ではこんな声も。
――今日も学校へ行ってきたが、学校も放課後のことまでは管理しない。野放しになっている印象がある。
都は学校に対してもっと指導すべきではないか(18歳・男子高生)。
――学校が遠いので、結局毎日満員電車に乗っている。感染しないか非常に不安。
オンライン授業の導入をすべきだと思う(17歳・女子高生)。
オリンピックについて聞くと、
――無理してやる必要はない。
このままの感染数であれば中止すべき(男女問わず多数回答)。
――
経済復活のためにやって欲しい。東京を盛り上げて世界にアピールすべき(20歳・男子大学生)。
との声が。結論ありきで「開催」ではなく、状況に応じて柔軟に判断すべきとの声が多かったです。
今回のアンケートは母集団が100人と少ないものであり、必ずしも全ての都内の高校生、大学生の声を正確に反映させたものではありません。ただ、実態はどうあれ「日々テレビで目にする小池さんは頑張っている、コロナ対策をきちんとやっている」という印象を抱いている人たちが圧倒的に多いということでした。
そして、18歳以上の有権者の皆さんからは「他の人たちが決め手に欠けるなら小池都知事に入れたい」との声を数多く聴きました。
若年層は今やテレビを見ず、もっぱらインターネットやYoutubeなどの動画しか視聴していないという声も耳にします。しかし、日々のニュースについては、ニュースサイトなどもチェックするものの、やはりテレビが強いと感じました。
テレビをよく見ている層はテレビのイメージで小池現知事を支持。一方で、テレビをよく見ている層も、政策の吟味など情報の深堀りにはインターネットを利用している、という印象です。
大人の間で有力視されている山本候補、宇都宮候補の支持層は、テレビよりもインターネットをよく見ており、そして自分の力で生活する中で苦しさを感じている20代、30代なのかもしれません。
数日後に控えた都知事選。若い人たちがしっかり情報収集をして選挙に行くことを望みます。最後に、取材にご協力頂いたみなさん、ありがとうございました。
※写真に写っている人物と前後に記載されている発言には関係がありません。
<取材・文/熊野雅恵>
くまのまさえ ライター、クリエイターズサポート行政書士法務事務所・代表行政書士。早稲田大学法学部卒業。行政書士としてクリエイターや起業家のサポートをする傍ら、自主映画の宣伝や書籍の企画にも関わる。