公選法違反常態化の菅原一秀を東京地検が不起訴処分、起訴猶予は妥当ではない

‰菅原一秀

16日、公選法違反疑惑について、記者会見する前経済産業相の菅原一秀氏。(写真/時事通信社)

世論の怒り爆発。#菅原前経産相の不起訴に抗議します ハッシュタグも

 不可解な起訴猶予処分が下された。東京地検特捜部は6月25日、選挙区内において公設秘書が代理で有権者に香典を手渡すなどした公職選挙法違反容疑で刑事告訴されていた菅原一秀前経産相(58)=東京9区=を不起訴(起訴猶予)とした。(参照:時事通信)  特捜部が司法記者に不起訴の理由として説明したのは以下の2点。 ●「大半のケースでは自らが弔問しており、香典の代理持参はあくまで例外と位置づけられ悪質性が低いと判断。公職選挙法を無視または軽視する姿勢が顕著とまでは言い難い」 ●「経産大臣を辞任し、会見で事実を認め謝罪したことを考慮」  前経産相の不起訴報道に世論は一斉反発。ツイッターには #菅原前経産相の不起訴に抗議します ハッシュタグが立ち、東京地検特捜部の判断に異議を唱えるツイッターデモが起こった。

直近の公設秘書2人が公選法違反常態化を証言

 奇しくも菅原を経産相辞任に追い込んだ週刊文春は、この日発売の最新号で『”香典持参”秘書が告発「菅原前経産相の悪事、すべて話します」』と題した告発記事を掲載。  昨年10月、同誌に元町会会長葬儀での菅原名義の香典渡しをスクープ撮りされた公設第一秘書、そして週刊誌に情報を漏らしたのではと菅原に疑われ軟禁された公設第二秘書が今年3月に菅原事務所を退所、週刊文春の取材に応じたのだ。記事では菅原の指示による公選法違反を始めとした数多の違法行為の常態化が直近の公設秘書の証言によって明らかとなっており、検察の不起訴理由が現実に即していないことは明らかだ。  同日のNNNの報道でもこの二人の前公設秘書は、支持者をランク分けして香典と枕花を届けるよう細部まで口を挟む菅原の指示内容を暴露している。

前公設秘書代理人が怒りのツイート連発

 前公設秘書2人の代理人を務める郷原信郎弁護士(郷原総合コンプライアンス法律事務所)は今回の東京地検の判断に #菅原前経産相の不起訴に抗議します ハッシュタグを付けた怒りのツイートを連発している。 “『直前に告知して「会見」を行い、誰も質問も追及もできない状況で、大汗をかきながら、意味不明の説明をしたことが「記者会見においても事実を認め謝罪した」ことになるのか。この人物にとって、選挙区内の弔事は「香典ばらまき」の機会に過ぎない。この「罪」に対して罰金刑すら科さないことは理解不能』” “『【大拡散‼】免許持って運転する人がスピート違反して赤切符切られたら罰金払う。選挙で当選した国会議員の公選法違反が発覚したのに、「大臣辞めた」「謝罪した」から罰金も払わないで済まされる。そんなことが罷り通るのか?もう誰も交通違反の罰金など払わない。』” ”『これが、違法な定年延長強行の後「賭け麻雀」で辞任した黒川氏の後任検事長に就任した”林真琴検事長の初仕事”か?これ程、国民の期待を裏切り、バカにした話があるだろうか?』“ (以上、出典は郷原弁護士のTwitterより)
次のページ 
検察の不起訴判断は妥当なのか?
1
2
3
バナー 日本を壊した安倍政権
新着記事

ハーバービジネスオンライン編集部からのお知らせ

政治・経済

コロナ禍でむしろ沁みる「全員悪人」の祭典。映画『ジェントルメン』の魅力

カルチャー・スポーツ

頻発する「検索汚染」とキーワードによる検索の限界

社会

ロンドン再封鎖16週目。最終回・英国社会は「新たな段階」に。<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

国際

仮想通貨は“仮想”な存在なのか? 拡大する現実世界への影響

政治・経済

漫画『進撃の巨人』で政治のエッセンスを。 良質なエンターテイメントは「政治離れ」の処方箋

カルチャー・スポーツ

上司の「応援」なんて部下には響かない!? 今すぐ職場に導入するべきモチベーションアップの方法

社会

64bitへのWindowsの流れ。そして、32bit版Windowsの終焉

社会

再び訪れる「就職氷河期」。縁故優遇政権を終わらせるのは今

政治・経済

微表情研究の世界的権威に聞いた、AI表情分析技術の展望

社会

PDFの生みの親、チャールズ・ゲシキ氏死去。その技術と歴史を振り返る

社会

新年度で登場した「どうしてもソリが合わない同僚」と付き合う方法

社会

マンガでわかる「ウイルスの変異」ってなに?

社会

アンソニー・ホプキンスのオスカー受賞は「番狂わせ」なんかじゃない! 映画『ファーザー』のここが凄い

カルチャー・スポーツ

ネットで話題の「陰謀論チャート」を徹底解説&日本語訳してみた

社会

ロンドン再封鎖15週目。肥満やペットに現れ出したニューノーマル社会の歪み<入江敦彦の『足止め喰らい日記』嫌々乍らReturns>

社会

「ケーキの出前」に「高級ブランドのサブスク」も――コロナ禍のなか「進化」する百貨店

政治・経済

「高度外国人材」という言葉に潜む欺瞞と、日本が搾取し依存する圧倒的多数の外国人労働者の実像とは?

社会