「不動産はこれからが好機」は本当なのか? コロナに動じぬ不動産投資家の思惑を聞いてみた
まさに天変地異とも いえるコロナショックにお いても、冷静に対応すれば がっちり資産を防衛すること は可能だ。そんな有事にこそ 問われる投資賢者の立ち 回り術に迫る !
芦沢晃氏は、中古ワンルームマンション(区分所有)投資を専門とする不動産投資家。取材時時点で58棟59室の区分分譲マンションを所有。年間の賃料収入は約2800万円(管積控除後)にのぼる。物件購入は現金で行い、金融機関からの融資は受けないのが芦沢流だ。
「中古区分投資では、融資利用による購入は収支がマイナスになりやすいと思います。現金購入だと、金利変動も関係なく、キャッシュが積み上がるので緊急時も運転資金繰りに余力がある。なんらかの事情で物件を売却しても債務は残らないので、リスクが低いんです」
芦沢氏は物件を売却したことはなく、家賃収入は増える一方。だが、今回のコロナショックでは、さすがにダメージがあったのでは?
「それが、今のところまったく影響ありません。政府の住宅確保給付金を利用したいので書類に大家捺印がほしいという相談が1件あったくらいです」
緊急事態宣言で「ステイホーム」が呼びかけられ、住宅は身を守るための最後の砦となった。そのため、家賃だけは払っておこうと考える人が多く、退去が増えている商業テナントとは正反対の状況だという。
「例年、春は転居が多く退去者が増える時期。ところが、今年は退去者の少なさが目立ちます。退去者が出ると原状回復工事なども必要になり、しばらくは家賃が入らない。ですから、今年はむしろ、例年よりも収入が安定しているくらいです」
また、市況の影響をダイレクトに受ける商業系不動産と違い、住宅系不動産は少し遅れて影響が出るという。つまり、新たな物件を仕込むには、これからが絶好のチャンスと芦沢氏。
「例えば副業でワンルームマンション投資をしていた人が、本業のピンチで現金が必要になり、急いで物件を売却したいといったケースは今後増えてくるでしょう。そうした物件をうまく見つければ、有利な投資のチャンスとなります」
さらに芦沢氏は、不動産投資のかたわら株式投資にも力を入れている。
「大家業とは、運営・管理の個人事業ですが、株式投資は高齢で動けなくなっても配当が入る。コロナを機に割安になった安定継続配当株をチェックしています」
金融資産は数千万円を保有しているが、この3月には、さらに日米の安定継続配当株を数百万円購入した。「家賃+配当」でより安定した現金収入を確保し、堅実な資産防衛を続けている。
現金購入での区分不動産投資は コロナショックも影響なし
新物件の「仕込み」の絶好のチャンスが訪れる!?
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2020.07.21
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