自身のYouTubeチャンネルではトレードの様子を配信することも。これは原油のトレードで見事マイナス18万円を記録している
投資家界隈では「
逆神」としてちょっとした有名人の
岐阜暴威氏(
You Tubeチャンネル)。平時でさえ負けに負けている彼だが、今回のコロナショックではどのような影響をうけたのだろうか。
「新型コロナ直前、実は為替で少し勝っていたこともあって、口座には約250万円ありました。’13 年にガンホーとミクシィで築いた4000万円を日経225先物ですべて溶かした経験があるので二度と先物はやらないと心に決めていたのですが……。すぐにお金を増やしたくて衝動的に手を出してしまうんです。為替で勝っていると、投資の腕が少しは成長していると思い込んでしまって」
コロナショックが起こったのは、岐阜氏が先物を買ったその直後だった。
「最悪のタイミングでしたね。それでも特に対策は取らず、買いポジションを持ち続けて『頼むから上がってくれ……』と祈り続けましたが、日経平均が1万6000円割れで底値を付ける直前に死亡。負けを取り返すために躍起になり、再度、為替に切り替えてフルレバレッジで挑んだら、たった2回の取引で退場。3月だけで口座にあった250万円がわずか10万円になってしまいました」
もう二度と先物と為替はやらない。岐阜氏は改めてそう心に刻んだが……。
「4月になって、原油が歴史的な大暴落。正直、これは“ボーナスタイム”だと思いました。給料の20万円を全部つぎ込み、最後にもう一度だけ商品先物で原油を買ったんです。正直、これは勝てると思ってましたが、結果は、ご存じのとおり、18万円のマイナスでフィニッシュです」
これだけ負け続けていると気になるのは、岐阜氏の投資資金の出どころだ。彼は一体どうやって資金を捻出しているのだろうか。
「普段は会社員をしているので、給料の20万円を全額証券口座に突っ込んでいます。実家暮らしの子供部屋おじさんなので、飯は勝手に出てきますから食費や家賃はかかりません。あとはYouTubeで配信をした際のフォロワーからの投げ銭も貴重な資金源ですね。毎回、土下座してお金を恵んでもらっています」
YouTubeのほかにも「ふわっち」などのアプリで配信を行い、フォロワーから投げ銭をもらうことも。その豪快な生きざまにファンも多い
今や“養分”の代名詞としてある意味有名人となっている岐阜氏だが、そのモチベーションはどこから湧いてくるのか。
「僕、本当は何もしたくないんです。夢は、投資でお金を貯めて田舎で悠々自適に暮らすこと。仕事も辞めて、SNSのフォロワーからたまにアマゾンギフト券とかをもらって、それで生活していくのが理想です。友達も彼女もいないハゲの人生に残された最後の希望なので、冗談でなく、本気で投資に懸けているんです」
岐阜氏はその夢を叶えるために再度、株を始める計画だという。
「6月はボーナスで100万円入る予定なので、株をやろうと思っています。注目しているのは建設関連銘柄です。中でも時価総額の低い銘柄を狙うか、上がっている銘柄のイナゴになれたらいいかな。最近、地震が多いのでイケると思うんですけどね」
夢への道のりは、これからだ。
●しくじり格言
大切なのは諦めない姿勢。応援してくれる人はいる
【井村俊哉氏】元芸人投資家
大学時代に株を始め、卒業後は株芸人として活動。現在は投資家YouTuber事務所『Zeppy』を経営するなど、投資関連でマルチに活躍している
【岐阜暴威氏】兼業投資家
’06年から投資を始め、膨れ上がった負けは2500万円。SNSやYouTubeですべてをさらけ出すそのスタイルが人気を呼んでいる。https://twitter.com/gihuboy
<取材・文/桜井カズキ 高城泰(ミドルマン) 画像/産経ビジュアル>