シニアの性事情。「日頃から性欲を感じる」男性は約半数に対し、女性は7%と大きなギャップ。その理由は?

女性は年代が上がるにつれて「性行為は不要なもの」という回答が増加

 調査リリースでは、2019年5月に行われたセミナー「人生100年時代のセクシャルウェルネスを考える」の内容も紹介。同セミナーで注目を集めたのが、「夫婦間における性行為の価値観の差異」だったという。  TENGAがセミナー前に「夫婦の性行為の価値」を調査したところ、25~34歳の男性では「性欲解消の手段」が約70%に上ったが、年齢が上がるにつれて「夫婦間のコミュニケーション手段」と答えた人が増えた。一方で女性は年代が上がるにしたがって「性行為は不要なもの」という回答が増加した。  この結果について登壇した泌尿器科の医師は「若い男性が性行為を性欲処理ととらえているのは、勃起~射精にこだわりすぎているのかも。ふれあいも大事」と感想を述べている。  TENGA広報の本井さんも、「若いときに男性が性欲解消を目的にセックスをすると、女性はセックスに良いイメージを抱かなくなってしまうかもしれません」と話す。将来、女性に「セックスはいらないもの」と思われないために、男性はセックス中の配慮が求められそうだ。

いくつになっても、性を楽しむ

 TENGAは昨年11月、大丸梅田店にセルフプレジャーアイテム「iroha」(イロハ)の専門店をオープン。訪れたシニア女性は「irohaに初めて触ったけど、安心できる」と語り、商品を購入したと本井さんは話した。  セルフプレジャーアイテムは「大人のおもちゃ」と言われ、いやらしいイメージがつきまといがちだ。TENGAは「からだの求める気持ち良さに応えるセルフプレジャーは、セルフケアのひとつ」と考え、入りやすい内装にすることで来店への心理的なハードルを下げる工夫を凝らしている。  性に向き合い、パートナーとのセックスを心地よいものにしようとするシニアから相談を受けることもあるという。  本井さんは、「以前に60代の男性から『妻とセックスをしたいのだがお互い高齢で、体力的にもうまくいかない。TENGAの製品を一緒に使えないだろうか』という相談を受けたことがあります。  高齢だからセックスを諦めたり、一人で済ませたりということではなく、相手の負担も軽減しつつ、より良い性のコミュニケーションを考えておられて、心温まるお問い合わせでした」と当時の心境を明かした。 <取材・文/薗部雄一>
1歳の男の子を持つパパライター。妻の産後うつをきっかけに働き方を見直し、子育てや働き方をテーマにした記事を多数書いている。
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