「株高」を再選の武器にしたいトランプ大統領だからこそ起こり得る、新たな「コロナ暴落」の危険性

再選に向け露骨な株高政策を進めるトランプ

 新型コロナウイルスで世界一の感染者数・死亡者数を記録しているアメリカ。しかし、各国政府の財政出動や中央銀行の矢継ぎ早の金融緩和の影響もあり、NYダウは3月23日の底値から実に50%近い急騰が続いている。  経済は最悪、コロナ終息もまだ先という状況にもかかわらず、いまや米国市場のNYダウ、S&P500、ナスダック指数などは史上最高値更新も視野に入った。実体経済をまるで無視したような株高は「明らかに異常」と考える人も多く、いつ崩壊してもおかしくないかもしれない。  そんな中、「11月にトランプ大統領が再選されれば、それ自体が新たなコロナ大暴落の引き金になる可能性を秘めている」と語るのは、長年、外資系金融機関に勤務してきた経験を活かし、最近『金融のプロが教える コロナ暴落後の必勝投資術』という新著を上梓した金融アナリストの永野良佑氏だ。 「トランプ大統領の辞書に『謙虚』という文字はないようです。すべての経済的、政治的なお手柄は自分のおかげ、自分を否定したり批判するニュースや言動はすべて『フェイクニュース』というのが彼のスタイルです。コロナ感染拡大に関しても、とにかく経済再開、株高演出を優先して、自らの大統領再選につなげるという戦略をなりふりかまわず実行しています」

短期的なアメリカ・ファーストには限界も

 トランプ大統領は米二大政党のひとつ共和党で、もう一方の民主党は「敵」。民主党の知事がいる州に対しては「ロックダウンから人々を解放せよ」とツイッターで扇動。最近では、ミネソタ州ミネアポリスの白人警官による黒人男性ジョージ・フロイド氏暴行死事件に対する抗議デモが全米で広がる中、「雇用統計のいい結果を見て、彼も喜んでいるだろう」とツイート。多くの人々がその発言を批判している。なにがなんでも「株高」を実現して大統領再選を目指すトランプ大統領の言動は、「私たちが政治のリーダーだと考える像とは大きく異なっている」(永野氏)といえるだろう。 「新型コロナウイルス感染症の世界的な流行の兆しが見え始めたとき、かつての米国であれば、G7での議論を主導し、なんらかの国際協調を試みたことでしょう。しかし、トランプ大統領はアメリカ・ファースト(米国第一)ですから、自国の短期的な利益になると思えないことで他国のことを構うスタンスはなく、むしろ、自国の利益を害するおそれがあるときに激しく攻撃をするという行動をとりがちです」  これまでの伝統的・良識的な政策とは異なる姿勢が一部の熱狂的な保守層に受けたからこそ、トランプ大統領が誕生した。 「トランプ大統領支持派とそうでない人たちは、見るニュース番組も違いますし、伝統的・良識的な政策とは異なることがトランプ大統領の素晴らしいところだと支持層は考えます。しかし、すべての共和党支持者がトランプ大統領を100%支持しているというわけではないでしょう」と永野氏は語る。  実際、トランプ大統領が自らの再選のためだけに推し進めているように見える米国の経済再開によって、米国がコロナウイルス感染の第2波、第3波に見舞われる可能性は依然として高い。再び全米の大都市がロックダウンとなれば、急上昇した株価の再暴落も視野に入ってくる。
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トランプ再選で対中貿易戦争激化なら株価大暴落も
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