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パチンコ業界を巡る環境が激変した。
ギャンブル等依存症対策の煽りや改正健康増進法(受動喫煙の防止)の影響を受け、パチンコホールの経営はそもそも苦境に立たされていたが、泣きっ面に蜂のコロナ禍により、今年1月~5月のパチンコホール企業の累計倒産件数は12社で昨年の2倍を記録した。長期に渡る営業自粛や執拗なパチンコバッシングにより客足は遠のき売上は激減、営業が再開した今でも、来店客数はコロナ禍以前の50%~60%に落ち込んでいる。
「コロナの影響は当分続くでしょう。8月のお盆シーズン頃には多少戻るでしょうが、お客さんの数がコロナ前の元通りになることは、当分は無いと考えています」とは都内某店のパチンコ店店長の言葉。
しかしこの状況を、チャンスと捉えるパチンコ店もある。コロナ禍によって想定外の新たな集客要素が誕生したからである。キーワードは
「安心」と「貯玉」。
パチンコ店の
「ウィズコロナ」時代の集客戦略を検証する。
本来、パチンコ店の集客のキモは
「立地」と「出玉」である。
客の立場で考えるのであれば、自宅や職場の近くにあるパチンコ店に気軽に立ち寄る場合が多く、駅前立地のパチンコ店等はその代表格でもある。立地さえよければある程度の集客は見込めるというのは、パチンコ店に限らずマーケティングの基本であり、これ以上の説明は不要であろう。
もう一つは「出玉」。「パチンコやパチスロで勝ちたい」と考える客は、多少遠かろうとわざわざ還元率の高そうな店を目指す。パチンコ店もあらゆる媒体による広告宣伝を駆使し「出玉」をアピールする。
勿論これ以外にも、設備の豪華さや設置機種の構成、漫画や雑誌コーナーを充実させる等のその他サービスも集客の要素となるが、これらはプラスアルファの感が強い。
しかしコロナ禍は、この「立地」と「出玉」の他に、
「安心」という新たな集客要素を生み出した。パチンコ店におけるコロナ感染の危険度は報道されたほど高いものでは無いというのは既に明白であるが、メディアの影響を多く受けた客にすれば、パチンコ店は「やはり怖い場所」と感じている。その様な客に対し、「当店は感染防止対策を徹底しています」というアピールは、集客の重要な要素となる。
実際にパチンコ店側も、メディアが拡散した負のイメージの払拭に向け店内消毒や飛沫感染防止ボードの設置、マスク着用の徹底、密にならない行列管理、従業員の健康対策等様々な対策を講じており、安心安全な遊技環境の醸成はウィズコロナ時代の必達目標になっている。
特に高齢者層にとっては、このような安心な遊技環境がパチンコ店を選ぶ重要なポイントになっている。