スイスショックで起こったスイスフラン暴騰の「異常」
2015.01.23
資料参照>。
※<資料>はコチラ⇒https://hbol.jp/?attachment_id=22095
ちなみに、2011年9月に、SNBのスイスフラン高阻止策決定を受けて、スイスフランが急落する前も、最近と同じほど、移動平均線からの乖離率を見ると「異常なスイスフラン割高」だった。だからこそ、SNBのスイスフラン高阻止策が成功した形になったともいえるだろう。
こういった観点からすると、今回はSNBの突然の決定に驚いた結果、またその直前までスイスフラン「売られ過ぎ」になっていた反動が入ったことでスイスフラン暴騰となったものの、一方でそれが「異常なスイスフラン割高」ということであり、SNBもさらなる利下げなどを行っていることからすると、必ずしもスイスフラン高が続くかは微妙かもしれない。(了)
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【吉田 恒氏】
1985年、立教大学文学部卒業後、投資情報会社の代表取締役社長などを経て、2011年7月から、米国を本拠とするグローバル投資のリサーチャーズ・チーム、「マーケットエディターズ」の日本代表に就任。国際金融アナリストとして、執筆・講演などを精力的に行っている。また「M2JFXアカデミア」の学長も務めている。
2000年ITバブル崩壊、2002年の円急落、2007年円安バブル崩壊など大相場予測をことごとく的中させ話題に。「わかりやすい、役立つ」として、高い顧客支持を有する。
著書に『FX7つの成功法則』(ダイヤモンド社)など
●ツイッター http://mobile.twitter.com/yoshida_hisashi
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先週、スイス中央銀行(SNB)が突然、スイス高阻止政策の放棄を発表し、スイスフランが一時対ユーロや米ドルで3~4割も暴騰したことで、さすがに損失が発生した投資家が多かったようだ。それは、この発表の直前、投機筋は大幅なスイスフラン売りに傾斜していたためだ。
CFTC統計の投機筋のスイスフラン・ポジションは、この発表の直前(1月13日現在)、2.6万枚の売り越しだった。2014年以降では最高のスイスフラン売り・米ドル買いに傾斜していた中で、上述のようにスイスフラン暴騰が起こったわけだ。
損失確定のスイスフラン買い戻しが、スイスフラン暴騰を後押ししたとともに、果たして損失確定がほぼ一段落したのか、まだ含み損を抱えたままになっているケースが残っている可能性も気になる。
少し悩ましいのが、SNBがスイスフラン高阻止策を止めたら、スイスフランは一段高に向かい、もうスイスフラン安に戻らないかといえば、それは微妙かもしれないということ。移動平均線からの乖離率などで見ると、今回のスイスフラン暴騰は、「異常なスイスフラン割高拡大」といえる<ハッシュタグ