データが突きつける「日本はアジア東部・大洋州地域ではコロナ三大失敗国のワースト2」という現実

東アジア、東南アジア、大洋州諸国の中の日本

 さて「謎々効果」で日本だけでなく東アジア、東南アジア、大洋州全域でコロナ禍が猛威を振るわなかったことは自明となりました。それでは東アジア、東南アジア、大洋州諸国の中で日本はどういった位置づけなのでしょうか。最近目にする、「日本SGEEEEE」は事実なのでしょうか。  ここでも数字だけが事実を示します。そこでまたOur World in Dataで調べましょう。
東アジア、東南アジア、大洋州諸国におけるCOVID-19による百万人当たりの死亡者数(インドを参考として加えた)

東アジア、東南アジア、大洋州諸国におけるCOVID-19による百万人当たりの死亡者数(インドを参考として加えた)
中国などでは、収束したのちに死亡者数の跳ね上がりがみられるがこれは、収束段階における集計方法の見直し(過小評価の是正)によるものである
出典Our World in DATA(数字はリンク先で全て入手できる)

東アジア、東南アジア、大洋州とインドにおけるCOVID-19による人口百万人当たりの死亡者数

東アジア、東南アジア、大洋州とインドにおけるCOVID-19による人口百万人当たりの死亡者数
出典Our World in DATA(数字はリンク先で全て入手できる)

 東アジア、東南アジア、大洋州諸国(島嶼国はデータ無し)にインドを加えてプロットした図を示しました。まず東アジア、東南アジア、大洋州諸国のなかでも百万人当たりの死亡者数には幅があり、ヴェトナムの0からフィリピンの9人までばらつきがあります。よくみると次の3つの集団に分かれます。東アジア、東南アジア、大洋州諸国に含まれないインドは除外します。 1)100万人あたり死亡者数が1名未満かつ収束しつつある集団 タイ、台湾、マレーシア、カンボジア、ラオス、ヴェトナム、パプア・ニューギニア 2) 100万人あたり死亡者数が2名以上6名以下かつ収束しつつある集団 韓国、ブルネイ、ニュージーランド、シンガポール*、オーストラリア、マレーシア、中国 〈*シンガポールでは、4月に入り外国人労働者、貧困層でパンデミックが発生し、現在制圧中であるために収束しつつあるかは評価が分かれる〉 3) 100万人あたり死亡者数が6名以上かつ増加中の集団 フィリピン、日本、インドネシア  このように、大きくは既に収束している、または収束を目前にした集団と、死者数が未だに増加中(収束の目処がつかない)集団にわかれ、後者は東アジア、東南アジア、大洋州の中では目立って死亡率が高いといえます。  残念ながら日本は、東アジア、東南アジア、大洋州における三大失敗国家の一つであり、「謎々効果」によって何故か欧米の1/100という死亡率という集団の中ではワースト2と言えます。要するに「日本SUGEEEE」ではなく、「コロナ駄目国家」であることが数字で如実に示されています。しかもこれは、自己申告の統計に基づくものであり、検査抑制による著しい過小評価という日本特有の統計の欠陥を含んでいます。しかもいまだに死者数が増加中という大きな問題を抱えています。  数字を使って世界から見れば、日本は現在進行形の失敗国であり、「日本モデル」など犬も喰わない代物であってはっきり言えばそのような模範など存在しません。我々日本市民が今を謳歌しているのは、「謎々効果」あればこそと言うことが自明となります。

PCR検査後進国日本

 SARS-CoV-2(新型コロナウィルス)感染症が確認され、病原体のゲノム解析(遺伝子解析)が完了した今年一月以降、感染の把握に最も有力且つ確実で何処の国でも実施可能な検査方法はPCR検査(ポリメラーゼ連鎖反応検査)であることは、世界の医学界、科学界の一致した合意であり、全世界で膨大なPCR検査が行われています。  ここで新型コロナウィルスPCR検査が世界でどれだけ実施されているか数字でみてみましょう。
千人当たりのPCR検査数の推移(東アジア、東南アジア、大洋州を主として抽出)

千人当たりのPCR検査数の推移(東アジア、東南アジア、大洋州を主として抽出)
東アジア、東南アジア、大洋州については統計のある全ての国を選択している
全ての国を選択するとグラフが真っ黒になるので、東アジア、東南アジア、大洋州以外の国については、話題性の高い国を選択した。従って無作為抽出ではない
検査実施数と検査人数とで乖離がある。ここでは検査人数で比較を行う
選択した国の中では日本は、ビリから二番目、ビリはインドネシアである
出典Our World in DATA(数字はリンク先で全て入手できる)

千人当たりのPCR検査数(2020/06/05)

千人当たりのPCR検査数(2020/06/05)
東アジア、東南アジア、大洋州については統計のある全ての国を選択している
検査実施数と検査人数とで乖離がある。ここでは検査人数で比較を行う
中国はデータ無し
出典Our World in DATA(数字はリンク先で全て入手できる)

 千人当たりのPCR検査実施数のデータには、統計の取り方にばらつきがあり、ここでは検査人数での比較、評価を行います。  検査回数の少ない集団にはタイや台湾と言った早期にパンデミックを収束させた国(100万人あたり死亡者数が1名未満かつ収束しつつある集団)がありますが、他はフィリピン、日本、インドネシア、インドと言った「コロナ失敗国」が集まっています。  ここで日本と韓国を比較すると、1000人あたりのPCR検査実施数には8倍の差があります。  ドイツ並みにパンデミックの制圧に成功し、現在コロナ掃討戦に移行しているデンマークは、未発見の感染者を発見するために膨大な検査をしており、日本と比較すると1000人あたりのPCR検査実施数には40倍の差があります。  またカナダと比較すると1000人あたりのPCR検査実施数には40倍の差があります。  合衆国との比較は、検査実施数同士での比較となりますが、1000人あたりのPCR検査実施数には15倍の差があります。  なお、1000人当たりの検査数が最も多い国はバーレーンで、2020/06/05現在で208.11人(日本の約70倍)となります。  統計を見れば明らかなように、PCR検査はあくまで抽出検査(無作為ではない)であって、全員検査を行っている国はありません。今回抽出した国の中では、掃討戦に移行しているデンマークは、全員検査を狙う勢いで、パンデミックが深刻化し、プーチン大統領の再選に影響が出始めたロシアでも既に10人に1人近い検査が行われていますが、これは例外です。  新型コロナ対策模範国と日本以外の全世界が認める韓国においてもPCR検査の実施人数は、全住民の50人当たり1人に相当します。しかし、パンデミックの全体像を把握するには、韓国のように早期制圧に成功した場合、この程度で十分であろうと報じられています。韓国でも未把握の感染者の把握を急いでおり、掃討戦に移行するものと思われます。  一方で日本は、400人に1人しか検査できていません。これは計測におけるサンプリングという考えからは余りに粗であり、大量の取りこぼしが生じていることは自明です。実際にかなりの人数が検査抑制による政策的医療ネグレクトにより自宅で死んでいたという事例が報じられる*など既に日本の新型コロナ関連統計の信頼性は大きく揺らいでいます**。日本は、少なくともCOVID-19死亡者数については死亡統計と人口動態統計の双方から補正をかけねばならない事態に陥っており、これは統計操作国であるとして死亡統計が重用されたブレジネフ末期以降のソ連邦とおなじ状態であり、非常に恥ずかしいことです。 〈*警察扱い26遺体、コロナ感染 自宅で死亡か、容体悪化20人2020/05/22京都新聞〉 〈**既に二月末からBloombergやBBC,CNNほか外電は、日本はPCR検査抑制によって統計の信頼性がないとして、日本を統計から除外したり、「日本は検査過少」というコメントを付けている〉  なお、日本の死亡統計から実際の新型コロナ死者数を推測する試みは既に始まっていますが、考える得る限りの最悪値で現在の公称1000人弱が1万人になる程度であり、人口100万人あたりのコロナ死亡者数は80人前後となりますから、欧州での成功国ドイツの100人より低い数値となります。東アジア、東南アジア、大洋州における「謎々効果」が絶大であることがよく分かります。
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