次に、IT用語が分からない場合の情報源をまとめておく。インターネットに慣れた人なら、検索エンジンを利用して、目的の情報にたどり着ける。しかし、不慣れな人は、玉石混淆の情報の中から、正しい説明にたどり着くのに時間がかかる。そのものずばりのIT用語解説サイトを利用する方が、時間を短縮できて的確な説明を読むことができる。
IT用語を調べるには、「
IT用語辞典 e-Words」が、数も多く、説明のバランスもよい。また、「
IT用語辞典バイナリBINARY : パソコン・インターネットの用語辞典」「
IT用語辞典 | 大塚商会」も有用だ。
これらのサイトの特徴は、古くから運営されており、用語が豊富に蓄積されていることにある。IT用語なら、新しいサイトを見た方がよいように思えるが、そうしたサイトは、ある程度知識がある人向けに書かれていることも多い。また、解説中に出てくる用語が分からずに、けっきょく何が書いてあるか理解できないことが多々ある。
上述のサイトの中で「e-Words」「IT用語辞典バイナリBINARY」は、説明中の用語に、他の用語のリンクが設けられている。そのため分からない単語をすぐに確認して読み進められる。その都度インターネットで検索をする必要がないので、効率的に知識を摂取することが可能だ。
3サイト上げたのは、それぞれの情報源で、少しずつ書いてある視点や内容が違っているためだ。1箇所だけを見るのではなく、複数箇所見ることで、知識を深めることができる。
最近では「
コトバンク」を引くのもよい。IT系の辞書や事典類の情報が複数表示される。
事典・辞書の一覧のページに、デジタル系の辞書も掲載されている。現時点では、「パソコンで困ったときに開く本」「ASCII.jpデジタル用語辞典」「ホームページ制作用語集」「情報セキュリティ用語辞典」「T用語がわかる辞典」が収録されている。
また、IT系の情報は「
Wikipedia」も有用だ。これは、編集をおこなっている人にIT系の人が多いためである。確認する際は、出典の情報や英語版も同時に確認するとよい。ただ、あまり初心者向けには書いていないことも多い。
ここまでで、自宅勤務に必要なIT知識はカバーできる。さらに情報技術について学ぼうとして、人によってはプログラミングを修得しようとするかもしれない。こうなってくると自宅勤務から飛躍して、転職まで視野に入れた行動になるだろう。
プログラミングについては、IT知識が乏しい状態で、無料で学習して修得するのは難易度が高い。この分野では、有料の書籍や講座、スクールが数多くある。
個人的には、いきなり大きな教材に挑むのではなく、実用的ではなくても、初心者向けの平易で短い本や講座を何度か繰り返し読んでから、次のステップに行くのがよいと思っている。
学びたいプログラミング言語に「初心者」「入門」などの言葉を付けて、ネットで検索すると、様々な情報をネットで見つけられる。そうした初心者向けの入門用講座は、ブログ以前の古いものが多い。ブログ形式のものは完結していないことが多いので、ホームページ形式で完結しており、なるべく短い物を選ぶとよいだろう。
そうしたものを、意味が分からなくてよいので、ざっと一通り読むことをおすすめする。その上で、細部の知識を得た方が、頭の中に全体像があるので、理解しやすくなる。こうした講座を何種類か流し読みしたあと、本番の学習に入るのがよい。
プログラミング学習者の中で挫折する人の中には、細部を気にしすぎて先に進めず、時間ばかり掛かってしまうタイプがいる。プログラミング言語というのは、物を作るための道具だ。たとえば工具の説明書を読むのに一年も掛けていたら何も作れない。ざっと説明書を流し読みして、分からない時に参照するぐらいがよい。全体を把握しておかなければ、個々の意味が分からないことも多い。
そうした前学習をした上で、より高度な情報源に触れたり、ボリュームのある本や、ネットの有料講座、スクールなどを利用するのがよいだろう。人によっては、前学習を繰り返した時点で、プログラムが書けるようになる人もいる。そうでない人でも、どこら辺が分からないかを把握した上で、学習する方が効率がよい。新しい技術に触れる時は、ざっと全体像をながめたあと、細部を知ろうとするやり方の方が向いている。
また、どのプログラミング言語を学ぶかだが、現時点では、Python、JavaScript、Java あたりが、初心者の学習対象となるだろう。この中では、Java が飛び抜けて複雑で学習の難易度が高い。汎用的なものを求めるなら Python、Webサイトを作りたいなら JavaScript を学ぶのがよいだろう。