山口:「DEA社が世界を変える担い手の役割を果たしているのですね。読者が、
革新的な発想を持ち続け、グローバルな進歩に貢献していくために、必要なことは何でしょうか」
椎名:「一番重要なのは、『
世界を変えよう!』という
熱量なんだと思います。革新的は発想なんてそうそう思いつくものではないです。常に『どうしたら変えていけるんだろう?』と考え続ける
強い意志、そしてその思いを熱量を持って相手に伝えることが重要なんだと思います。我々のプラットフォームも簡単に作り上げたわけではなく、二転三転、いやいや百転くらいはひっくり返しながらここまで来ています」
山口:「
熱量を高めるために、自分のモチベーションファクターを知ることは重要だと思います」
椎名:「そして
最初から世界を狙う。日本で立ち上げてから世界となると、どうしても思考回路がドメスティックになってしまいます。
世界を狙うなら、最初から世界を相手にしたビジネスプランで攻めていくことが重要かと思います。
あとは仲間ですね。一緒に戦える仲間がいること、これは強い意志を持ち続けるための必須条件かもしれません。やはり一人で全部をやり続けることは出来ない、
仲間と一緒ならば苦労は半分、楽しみは2倍です。
私も人生いろいろな経験してきた方だと思いますが、とっても大変ですが、今が一番充実して楽しい時間です。もっともスタートアップですから日々いろいろな事件が勃発します。それをひとつひとつ乗り越えていく。本当に毎日痺れるような緊張感を味わっていますが、とにかく前へと突き進む、これが醍醐味なんだと思います」
<対談を終えて>
椎名さんはAI専門家しても知られるが、研究者時代、スタンフォード大学に在学中でのちにYahoo!を創設する
デビット・ファイロと、机を並べていたこともあるという。
最初から世界を狙うという発想は、そこから生まれているように私には思える。小さなことでも気になることはその場で自ら検索する椎名さんは、
グローバルな大局と、細事を
自らアクションすることを厭わない小局を、
同時に繰り出せる実践者なのだ。(モチベーションファクター株式会社・山口博)
椎名茂●プライスウォーターハウスクーパース代表取締役社長、KPMGコンサルティング代表取締役副社長を歴任後、Digital Entertainment Asset Pte.LtdのCo-CEO。慶應義塾大学理工学部訪問教授, 日本障害者スキー連盟会長
【山口博[連載コラム・分解スキル・反復演習が人生を変える]第191回】
<取材・文/山口博>