「子どもは人生の重荷でしかない」「経済的に不安がある」……。子どもを持ちたくないと思う理由

乳幼児 日本の子どもの数が39年連続で減少。5月上旬、そんなニュースが流れた。報道によれば、14歳以下の子どもの数は1512万人で、統計記録がある1950年以降で過去最低の数値だという。  加速する少子化を食い止めるべく、政府は幼保無償化をはじめさまざまな施策を打ち出しているが、狙いとは裏腹に子どもの数は減るばかりだ。  それもそのはず。今の日本社会は子育てをしやすい環境とはいえないためだ。子どもの泣き声がうるさいと言われ、ベビーカーで電車に乗れば舌打ちされる、仕事に復帰しようにも保育園に入れない。子育てのしにくさを挙げればきりがない。筆者が周りにヒアリングをすると、育児のしにくさ、子どもを持ちたくないと思う本音が聞かれた。

夫にとって、家事と育児は他人事

 高木さん(仮名、30代、子ども一人)は、「気づけば、保育園送迎が私の担当になっていた」と夫への不満を語った。 「共働きなのに、家事や子どもに関することのほとんどは私がやっています。言えば多少は手伝ってくれますが、夫にとって家事や育児が自分の担当だと思っていないんです。  新型コロナによる休校を夫に伝えた時なんて、『そうなんだ』と言うだけ。夫は『休校=学校に行かない』くらいにしかとらえていません。休校になったら自宅学習に親がどれほど関わるのか、子どもが在宅時の家事、休校中の仕事の調整など休校に伴う様々なタスクが頭に浮かびます。もともと家のことが自分ごとではないので、悠長に構えていられるんですよ」  社会生活基本調査(2016年)によると、共働き世帯の男性の約8割が家事をせず、7割が育児をしていないことが示されている。家庭内におけるケア労働は妻に大きく偏り、高木さんの夫のように「家事と育児は自分じゃない」男性はたくさんいることがわかる。  一般的には男性の方が賃金が高いため、家計の担い手は男性になることが多い。そうなると、家庭のことは賃金が低い方がすればいいという考えになる。家事・育児の負担が女性に向くのはそういった背景もある。高木さんは「婚前は子どもを何人も欲しいと思いましたが、もう無理です」と話した。

キャリアが途絶えてしまうのではないか……。

 女性が家事と育児に時間を割けば、産前のように仕事にコミットしにくくなる。場合によっては仕事の継続そのものを断念せざるをえないこともある。吉田さん(仮名、30代、子どもなし)は、仕事と育児の両立に悩む。 「もし子どもがいたら家族が増える喜びや、夫婦2人では味わえない幸せを手にできると思っています。でも、子どもを育てながら仕事を続けていけるかがとっても不安で……」  夫が育休を取得したり、家庭を優先する働き方に変えたりできればいいが、吉田さんの夫は「正直、長期の休みは会社の人の目があって厳しい」と話している。育休が取れない、在宅勤務や時短など働き方に融通がききにくいとなれば、吉田さんが家事と育児を担う可能性が高く、両立のハードルは上がる。  吉田さんは「家計についても心配」と話す。家族が増えるので支出は増えるのに、働き方を変えたり離職したりすることで世帯収入が低下するリスクはある。  仮に吉田さんが育児のために離職した場合、辞めなければ得られたであろうお金がもらえないことになる。語弊はあるが、育児起因の損失の大きさも育児の負担感を増し、結果として子どもを持つ選択をためらわせる。  斎藤さん(仮名、20代女性、独身)も両立に不安を抱く一人。「言い方は悪いですが、子どもは私の人生の重荷にしかならないと考えています」と、子どもを持ちたくない理由を明かした。
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男性は、働くこと以外の選択肢を取れない現実に苦しむ
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