新型コロナ巨大災害下で「不要不急」の原発再稼働工事を進める日本原電、進めさせる茨城県

日本原電東海第二発電所入り口付近

日本原電東海第二発電所入り口付近(撮影/牧田寛 GoPro画像より)

電力会社と原発を襲い始めた新型コロナ

 不気味なほどに高い感染力を持つ新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)が、とうとう電力会社や原発までを襲い始めた。2020年4月25日までに東京電力ホールディングス株式会社グループ(以下、東電)からは11名の新型コロナ感染者が確認され、そのうち2名が柏崎刈羽原発(新潟県柏崎市)に勤める社員とされている。 ●当社柏崎刈羽原子力発電所における新型コロナウイルス感染者の発生について:東京電力 4月18日    ●当社柏崎刈羽原子力発電所における新型コロナウイルス感染者の発生について:東京電力 4月24日    ●当社グループにおける新型コロナウイルス感染者の発生について:東京電力 4月25日     さらに、柏崎刈羽原発が所在する柏崎市からはもう3名の感染者が確認されているが、そのうち2名が東電社員(柏崎刈羽原発ではない事業所に勤務)、そして、残る1名が、感染が確認された東電社員の家族とされている。すなわち、これまでに柏崎市で確認された感染者5名すべてが東電関係者なのだ。* 〈*新型コロナウイルス感染症患者の発生 柏崎市 4月25日更新     5人目の感染者が確認された4月25日には、事態を重く見た櫻井雅浩 柏崎市長が緊急のコメントを発表し、東電に徹底的な検証を求めるとともに、柏崎市民に注意をうながした。

緊急事態下で原電が進める「不要不急」の再稼働工事

 そのような緊迫した事態のなか、日本原子力発電(以下、原電)は、茨城県東海村にある「東海第二原発」の工事を粛々と続けている。東海第二原発は運転開始から42年目にもなる、言わずと知れた老朽原発だ。不幸中の幸いにして、東海村では 5月14日現在まで新型コロナ感染者は1人も確認されていないが、この新型コロナ大災害下でこの原発の工事を続けることは、はたして正当化されるのだろうか。  東電も新型コロナ対策をとりながら業務の多くを継続しているが、東電には電力インフラを守る使命があり、名目は立つ。しかし、原電はどうだろうか?  原電は原子力発電のみで発電事業を行っている会社だが、2011年5月以来、発電を一切行っていない。同社の敦賀原発1号機は2011年1月に定期検査に入り、運転を停止したまま2015年4月に廃炉が決定、現在は解体工事を行っている。  敦賀原発2号機は2011年5月に1次冷却材中の放射能濃度が上昇するトラブルで停止し、原電は再稼働を目指しているが、今年の2月に深刻な不正行為、すなわち、原電による「地質データの不適切な書き換え」*が発覚し、このまま廃炉となる公算が濃厚になってきた。 〈*福井新聞 2020年2月8日 ― 原電が敦賀2号地質データ書き換え 規制委「審査の根幹」会合打ち切り〉  そして、残る東海第二原発は、2011年3月11日の東日本大震災のときに自動停止し(参照:日本原子力発電)、そのまま同年5月21日に定期検査に入って以降、一度も運転できていない。  その東海第二原発で今、「不要不急」としか思えない工事が続けられている。あの老朽原発をなんとしても再稼働させるための、総額2500億円超になるとも言われる大工事*だ〈*朝日新聞 2019年12月17日 ― 東海第二原発工事、700億円予算オーバー 回避困難か〉  その費用、そして、工事作業量の膨大さに加え、この再稼働工事には「不要不急」と思わせる要因が少なくとも2つある。それらはともに、「再稼働はまず不可能だろう」と思わせるほどの重いものだ。
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東海第二原発工事が不要不急である2つの理由
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