冒頭でも触れたように、これまで
日本ではアーティストが政治的なメッセージを発したり、チャートの上位に輝くようなことはあまり一般的ではなかった。SNSへの投稿ですら大きな話題となり、賛否両論が巻き起こってしまう現状を見ても、それは明らかだろう。
しかし、その
検察庁法改正ハッシュタグのように、これからは
そうした風潮は変わってくるかもしれない。先ほど紹介した楽曲のように、
直接的に政権を批判するような作品が生まれる可能性もあるだろう。
そうしたときに、現状は、あくまでも「親政権的な一般人=ネトウヨなど」らがアーティストにクソリプを送っているだけにとどまっているように見えるが、今後ポーランドと同じように
不可解な削除や検閲が行われないとは言い切れない。視聴者は、
アーティストが発するメッセージだけでなく、それを取り巻く
業界の動向にも目を向けていくべきではないだろうか。内容への賛否以前に、発表する場が奪われることは何としても避けなければならない。
<取材・文・訳/林 泰人>