Web会議やリモートワークで円滑にコミュニケーションを取るために必要なこと

相手の表情をソフトが読み取り、思考を類推できる可能性も

 こうした表情分析に加え、適切な発信のためのサポートコメント機能などがあるとよいかも知れません。例えば、次の画像のようなイメージです。  アイディア:表情に応じて、「熟考中です。説明を補足しましょう。」のような一言コメントが表示される  相手の表情の読みとりが苦手な方や自分の話に熱が入るあまり、相手の理解度への観察がおろそかになってしまう方に有効だと思います。  なお、本分析で用いた「心sensor」は商品化されていますが、サポートコメント機能はあくまでも私のアイディアですので「心sensor」にもMicrosoft TeamsやZoomにも搭載されておりません。

オンラインコミュニケーションとオフラインコミュニケーションの持ち味を活かす

 近い将来、こうした機能が搭載されることを期待しつつ、今できる工夫をしましょう。それは、オンライン上にいるコミュニケーション相手の表情をよく観ながら会話する、ということです。  面と向かっていては、相手の表情をジロジロと観ることは出来ませんが、オンラインなら安心です。  相手の顔が表示される場所とカメラ位置の関係で、相手と直にアイコンタクトが生じないため、相手の表情をじっと観ていても、相手にプレッシャーを与えることはありません。自分も落ち着いていられます。  また、6人くらいのコミュニケーションでも、実際に会議室や研修室に6人がいるときに比べ、オンラインでは6人の表情が接近しているので、サッと全員の表情変化を観察することが出来ます。  オンライン上でのコミュニケーションが増えているからこそ、オフラインでも活かせるコミュニケーションスキルを養成するチャンスだと思います。次のオンライン会議のとき、まずは眉に注目です。表情がいかに雄弁に想いを語っているか実感することが出来るでしょう。 ※1心sensorとは、動画に映る人物の表情を感情認識AIで分析するアプリケーションです。株式会社シーエーシーによって開発された商品です。詳しくは、公式サイトを参照して下さい。 ※2本動画・画像の権利は、株式会社空気を読むを科学する研究所に帰属します。無断転載を禁じます。 <文・動画/清水建二>
株式会社空気を読むを科学する研究所代表取締役・防衛省講師。1982年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京大学大学院でメディア論やコミュニケーション論を学ぶ。学際情報学修士。日本国内にいる数少ない認定FACS(Facial Action Coding System:顔面動作符号化システム)コーダーの一人。微表情読解に関する各種資格も保持している。20歳のときに巻き込まれた狂言誘拐事件をきっかけにウソや人の心の中に関心を持つ。現在、公官庁や企業で研修やコンサルタント活動を精力的に行っている。また、ニュースやバラエティー番組で政治家や芸能人の心理分析をしたり、刑事ドラマ(「科捜研の女 シーズン16・19」)の監修をしたりと、メディア出演の実績も多数ある。著書に『ビジネスに効く 表情のつくり方』(イースト・プレス)、『「顔」と「しぐさ」で相手を見抜く』(フォレスト出版)、『0.2秒のホンネ 微表情を見抜く技術』(飛鳥新社)がある。
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